【CJC=東京】イタリア上院は2月25日、結婚に準じた権利「シビルユニオン」を同性カップルに認める法案を、賛成多数で可決した。今後、下院で審議される。
「シビルユニオン」は、同性同士のカップルにも、法律婚と同様に遺産相続や養子縁組、養育などの法的権利を認めるもの。この日の採決の結果は、賛成173、反対71だった。マッテオ・レンツィ首相は「歴史に残る日になる」と語った。
イタリア憲法は家族を「婚姻に基づく自然な共同体」と規定しており、西欧主要国の中で唯一、同性婚や「シビルユニオン」を公的に認知する制度がない。
イタリア司教協議会のパオロ・ジェンティーリ神父は「法案では、同性パートナーが以前の異性配偶者との間にもうけた継子が養子となるケースが想定され、受け入れられない」と指摘するなど、反対派の抵抗で、当初の法案に含まれていた養子に関する条項が削除された。このため同性愛団体の反発が強まった。
欧州人権裁判所は2015年7月、イタリア政府に対し、同性カップル3組に婚姻やそれに準じるパートナー関係を認めなかったことは人権侵害に当たるとする判決を下し、イタリア政府に損害賠償の支払いを命じている。