【CJC=東京】人種的偏見が根強く残っていた時代の米南部を取り上げた小説『アラバマ物語』(原題:To Kill a Mockingbird =物まね鳥を殺すこと)の著者ハーパー・リーさんが19日、故郷の米アラバマ州モンロービルで死去した。89歳。葬儀は20日、同地の第一合同メソジスト教会で行われ、家族や友人ら少数が別れを惜しんだ。
1961年出版の『アラバマ物語』は、同年度のピュリッツァー賞を受賞、62年には全米で900万部を売り上げる大ベストセラーに。世界的にもベストセラーとなった。日本では暮らしの手帖社が、菊池重三郎訳で1984年に刊行している。2015年には、続編が米国で出版された。
62年にはグレゴリー・ペック主演で映画化され、大ヒットを記録。同年度のアカデミー賞では作品賞を含む8部門の候補となった。そのうちグレゴリー・ペックが主演男優賞を受賞した他、脚色賞、美術賞(白黒部門)の部門で受賞している。