聖学院大学(埼玉県上尾市)は1月28日、受験生や保護者、進路指導者を対象にした小冊子『大学の夢あきらめないで―進学にまつわるお金の話』を発行し、無料配布することを同大ホームページで発表した。
A5判82頁のブックレットで、同大政治経済学部教授の柴田武男氏が執筆を担当している。オープンキャンパスなどで学資金に関する深刻な相談を受けることが多くなってきていることを受けて制作した。「大学になぜ進学するのか」から問い直し、大学に行くための費用について家族で話し合うことを提言している。
同大は、「学資金や進学にまつわる費用を考えることは単に家計のことだけでなく、受験生が自分の志望理由をはっきりさせる過程」だとし、「大学選択のミスマッチを防ぎ、4年間の経済設計をすることは重要なことだと考えている」と、同冊子の意義を伝えている。
日本政策金融公庫が発表した「教育費負担の実態調査結果」(2014年度)によると、子ども1人を四年制大学に入れて卒業させるまでの平均費用として、国公立大で約511万円、私大文系なら約692万円、私大理系なら約787万円がかかるといわれる。こういった実際的な問題も受けて、同冊子では、今国会でも議論されている奨学金の利用方法と留意点を分かりやすく解説し、巻末には奨学金一覧(埼玉県)も掲載している。また、今後は同大ホームページ上で、全国の奨学金の一覧を掲載する予定だ。
同冊子は、主に高校生や教員、保護者向けに無料配布するものだが、希望者には無料で送付する。希望者は同大ホームページにある専用申込フォームより申し込むことができる。