政務活動費をだまし取ったとして、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われている元兵庫県議員、野々村竜太郎被告(49)に対し、神戸地裁は強制出廷させる「勾引状」を発付した。野々村被告は昨年11月の初公判を欠席しており、1回の欠席で勾引状が出されるのは異例だという。国内主要各紙が伝えた。
野々村被告は昨年11月24日に予定されていた初公判を、精神的に不安定だと弁護士にメールで伝え欠席。公判は今月26日に延期されていた。
読売新聞によると、勾引状が出された場合、被告が出廷しなければ、検察事務官や警察官が被告を強制的に裁判所へ連れていくことができる。さらに、逃走の恐れがある場合は「勾留状」を発付し、刑事施設に拘束することもできるという。
毎日新聞が、最高裁の情報として伝えたところによると、勾引状が発付されたケースは、民事訴訟も含め、2011年度57件、12年度86件、13年度91件、14年度88件。
野々村被告は、11〜13年度の政務活動費(12年に「政務調査費」から改名)について、344回にわたって日帰り出張を繰り返したなどとする虚偽の収支報告書を作成。兵庫県が野々村被告に支払った計約1680万円のうち、約910万円をだまし取った疑いが持たれている。14年7月に開いた会見では号泣したことで注目を集めた。