聖公会の世界的共同体「アングリカン・コミュニオン」(全世界聖公会)の首座主教らが、ジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教の招きにより、11日から16日までカンタベリーで会議を行っている。38の管区の指導者たちが、2011年にダブリンで行われた会議以来、初めて集まっている。世界教会協議会(WCC)が13日に公式サイトで伝えた。
それによると、ウェルビー大主教は、この会議の開会演説の中で、内部に深い緊張関係があることを認めた。同大主教がお互いのためにキリストのような愛の精神を求めると、同大主教は宣教を通じた一致の表現に焦点を当てることを促した。
「私たちのあらゆる重大な困難をもって、私たちは暗闇と喪失そして災いのうちにある世界に直面する。今週の私たちの責任は、従って、世界の中のある団体として、教会が行動をさらに起こす備えをしやすくすることだ」と同大主教は語った。
ウェルビー大主教は11日、アングリカン・コミュニオンの分裂は失敗となり得ると述べた。しかし、同大主教は英BBCラジオ4の番組で、そのような筋書きは「災いになることはないだろう」とし、なぜなら「神は私たちの失敗よりも大きいからだ」と述べた。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が同日に報じた。
ウェルビー大主教が自らのコメントをしたのは、カンタベリー大聖堂で同日始まったこの首座主教会議を前にした、英国の全国的な看板ラジオニュース番組の生放送でのインタビューでのこと。
「分裂はあなたが言うような災いになることはないだろう」と、同大主教はBBCのジャスティン・ウェッブ氏に語った。「神は私たちの失敗よりも大きい。しかしそれは失敗には変わりない。もし私たちがどうすれば互いに愛し合うことができるのか、教会が世界にその模範を示すことができず、不同意が深刻であれば、それは良いことではない。なぜなら私たちは自らの選択によってではなく、イエス・キリストによって集められたからだ」
「これはクラブ活動とか政党ではない。それは神によってなされるものだ」と、同大主教は付け加えた。
ウェルビー大主教は聴き手に対し、和解を望むと語り、そして「和解は必ずしも同意を意味するとは限らない。実のところ、それはめったにない。それは上手に不同意する方法を見つけることを意味する。そしてそれが今週私たちがしなければならないことだ」と述べた。
今週のこの会議に関する多くの報道は、一部の首座主教たちが早くも出て行ってしまうのではないかと予測した。
例えば、英ガーディアン紙(電子版)も8日、「英国国教会はゲイの権利に関する話し合いでアングリカン・コミュニオンが終わってしまいかねないと恐れている」という見出しの記事を掲載。六つのアフリカ諸国の保守的な教会の大主教たちがこの会議から出て行ってしまうと予想されていると報じた。
また、英クリスチャントゥデイも13日、「カンタベリー首座主教会議で緊張関係が浮上」と題する記事の中で、「世界中にある聖公会の38の管区の最高責任者たちが今週集まり、同性愛に対する態度をめぐる強固な違いに直面している聖公会を保とうとしている。北米の聖公会がリベラルな立場を取る一方、アフリカや世界聖公会未来会議(GAFCON=ガフコン)は同性愛関係の受容に対する反対を主導してきた」と報じた。
しかしウェルビー大主教は、そのような動きによってアングリカン・コミュニオンが分裂することはないと述べ、そしてこう付け加えた。「私たちは共にとどまり、お互いに耳を傾け、イエス・キリストに仕え、そして性に関する問題だけでなく、紛争や迫害、宗教的な暴力など、世界中の人々に影響を及ぼしている巨大な問題群についても焦点を当てたい。それらもまた本当に重要な議題だ」
聖公会はこの首座主教会議のための祈祷文(英語)を特設サイトに掲載し、祈りを呼び掛けている。