キリスト教一致祈祷週間のための資料が今年初めてスマートフォンやパソコン、タブレットで利用できる。世界教会協議会(WCC)が人気聖書アプリ「YouVersion(ユーバージョン)」との協力を企画したという。WCCが11日、公式サイトで伝えた。
1968年からローマ・カトリック教会の教皇庁キリスト教一致推進評議会とWCCが共同で公表してきた8日間のキリスト教一致祈祷週間は、伝統的に1月18日から25日まで北半球で行われている。
ユーバージョンを通じて、同祈祷週間の聖書の黙想は、共有しやすくて無料のデジタル形式により、英語とフランス語、スペイン語、ドイツ語、そしてポルトガル語で利用できるようになる。このアプリによって利用者は聖書を読み、ソーシャル・ネットワークを通じて聖句を共有し、そして好きな聖書箇所をブックマークすることができる。
「ますます多くの人々がスマートフォンを通じて聖書の聖句にアクセスしては、それらをパソコンやタブレットにダウンロードしつつある。WCCと協力するには理想的な時」と、クリスチャン・メディア・コーポレーション・インターナショナルの理事長でユーバージョンの国際大使であるジェフ・タニクリフ牧師・博士は述べた。タニクリフ氏は世界福音同盟の前総主事でもある。
ユーバージョンは、世界中で2億400万を超える固有の機器にすでにインストールされており、800を超える言語で1200を超える聖書の訳を提供している。
毎年、キリスト教一致祈祷週間の間、クリスチャンたちが集まって祈り、説教者の交換をしたり、特別でエキュメニカルな祝祭や祈祷礼拝を準備する。2016年のテーマは「主の力あるわざを、広く伝えるために招かれて」(Ⅰペトロ2:9参照)。ラトビアにあるさまざまな教会の会員たちがこの週間のために資料を作成しては、洗礼(バプテスマ)と宣言の関係や、主の力あるわざを広く伝えて教会の一致を表すという、洗礼を受けた全ての人たちが共有する招きを探求した。
キリスト教の一致を共に求めるに当たって、ユーバージョンは、人々が聖書の本文にアクセスして、それを自らの地域や文化の文脈に当てはめるためのもう一つの形を提供すると、WCC信仰と職制ディレクターのオーデイア・ペドロソ・マテウス牧師・博士は述べた。「教会やキリスト教共同体がこの祈祷週間を行うに当たって、技術が私たちを引き離すのではなく、代わりに共通のテキストをエキュメニカルな設定に役立つ形で私たちをまとめてくれるというのは、喜ばしいことだ」
どんな形で人々がこの祈祷週間のテキストを選んでアクセスするにしても、マテウス氏はこのテーマが個人と信仰共同体の両方において彼らに届いてほしいと語った。「神が新たな命を私たち全てに開いてくださったのだから、私たちは歴史における神の救いのみわざについて耳にするだろう」とマテウス氏は語った。「そして、祈りを込めて読むことを通じて、私たちが神の力あるわざを自らの生活の中で認識することができるように、そして教会の一致と人類の一致に奉仕できるように」
なお、バチカン放送局は8日、この祈祷週間について日本語でも報じた。
また、ユーバージョンにはこの祈祷週間の式文の日本語版はないが、その小冊子の日本語版はカトリック中央協議会の公式サイトにある。