世界教会協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト牧師・博士によると、北朝鮮による最近の核実験を受けて、WCCは朝鮮半島の最近の情勢に関わる全ての当事国―とりわけ韓国、北朝鮮、米国、日本そして中国―に対し、「破滅的な紛争の危険を増大させる措置よりもむしろ、停戦状態を終わらせ、朝鮮半島の平和的共存のために、緊張を減らし、対話を促進し、そして交渉を促すための率先した行動に力を注ぐよう」呼び掛けている。WCCが8日、公式サイトで伝えた。
「正義と平和の巡礼に献身する諸教会のグローバルな交わりとして、私たちは、挑発と軍事的対立の致命的な循環に対して、希望を呼び起こす代案を求める」と同総幹事は強調した。
30年以上にわたって、世界教会協議会(WCC)は北朝鮮と韓国の人たちの出会いと対話のために門戸を開くことや、この関係に国際的でエキュメニカルに寄り添うことに取り組んできた。WCCの第10回総会―2013年に韓国の釜山で開かれた―は「全てのコリアンの幻や夢、癒やし・和解・平和と再統一を求める彼ら共通の念願がかなうようにというのが、私たちの祈りである」ことを確認した。しかし、WCCの「国際問題に関する教会委員会」(CCIA)担当局長であるピーター・プローブ氏が述べたように、「70年以上にわたるこの半島の分断を経て、コリアの人たちは、世界で最も高度に軍事化された対立によって分断され続けている。平和という幻と夢は、この危険な状況の中で、緊張を減らすよりもむしろ高めるような、あらゆる全ての措置によって、脅かされている」。
トヴェイト総幹事は、「WCCは核兵器に対する道義に基づいた反対の長い歴史も持っており、そしてこのような非良心的な大量破壊兵器に対する地球規模の法的禁止に向けた最近の『人道的イニシアチブ』を支持している」と述べた。
「朝鮮半島の文脈において、核による紛争の脅威は、この半島の人々だけでなく、より広い地域と世界の人々の生活と未来を危険にさらしている」と、WCCは説明した。
「従って」とトヴェイト総幹事は強調。「WCCは朝鮮半島ないしその周辺に対する核兵器の破壊的な潜在力を拡大させるイニシアチブを非難する」と述べ、WCCの統治機構が繰り返し、核のない朝鮮半島、北東アジアにおける完全かつ検証可能で不可逆的な全ての核兵器の撤廃、そして地球規模で人道的な核兵器の禁止を呼び掛けてきたことに言及した。
「私たちは落胆と大きな憂慮をもって言及する」とCCIAのプローブ局長は付け加えた。「北朝鮮による最近の核実験に対する昨今のあるいは予想される対応は、段階的縮小や対話の方向にはつながらない。このようなやっかいな対応には、今日再開された韓国による大音量スピーカーを使った宣伝放送、経済制裁の強化の可能性、そしてこの地域における国際的な軍事的配備(核戦力を含む)の増大が含まれる」
トヴェイト総幹事は、「挑発は平和への道をもたらさない。この状況の中では、対話がこれまで以上に重要かつ緊急に必要だ。私は全ての教会と全ての善意ある人々に対し、韓国と北朝鮮の両方の人々とともに、またその人々のために祈り、そして朝鮮半島と世界中の平和と和解のための私たちの努力をさらに強めるよう求める」と強調した。