ブログに「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」などとする文章を書いた愛知県の男性社会保険労務士に対し、愛知県社会保険労務士会は、社会保険労務士の信頼を失墜させたとして、会員資格を3年間停止する処分を決めた。一方、この社会保険労務士は「筆が滑って過剰な表現はありましたが、ブログに書いた趣旨は間違っていない」などと話しているという。NHKなどが伝えた。
NHKなどによると、この社会保険労務士は、モンスター社員解雇のノウハウを紹介するとうたうブログ「すご腕社労士の首切りブログ」で、社員をうつ病に罹患させて会社から追放する方法として、「降格や減給で経済的にダメージを与えます。適切な理由をでっち上げましょう」などとつづっていたという。
この内容に批判が相次ぎ、関係機関からも声明が出るなどし、朝日新聞によると、愛知県社会保険労務士会は25日の臨時理事会で、男性の会員資格を3年間停止するとともに、退会を勧告することを全会一致で決めた。この決定により、男性は会員資格が停止されている3年間、役員選出などに加われなくなる。
一方、県社会保険労務士会から退会すると、男性は愛知県内では社会保険労務士として働けなくなる。男性は同紙の取材に対し、客との契約があるため現在は退会することは考えていないと話しているが、「勧告は厳粛に受け止める」とし、今後の対応は弁護士と相談して判断するという。だが、NHKによると、この男性は愛知県社会保険労務士会の聞き取りに対し、「世間をお騒がせしたのは申し訳ないと思っています。一部、筆が滑って過剰な表現はありましたが、ブログに書いた趣旨は間違っていないと思います」などと話しているという。
この男性はブログで他にも、「モンスター社員に退職金を支給しない方法」「効果的な精神的打撃の与え方」「適法パワハラのフル活用」「正しいパワハラの勧め」など過激な内容の文章を掲載していた。