兵庫県たつの市の県立龍野高校で2007年、当時高校2年だった女性(25)が部活動のテニスの練習中に熱中症で倒れ、重度の障害を負った事故をめぐる訴訟で、最高裁は15日付で、兵庫県側の上告を棄却。約2億3000万円の賠償命令を出していた大阪高裁(二審)の判決が確定した。時事通信が伝えた。
女性は07年5月、部活動の練習中に倒れて一時心肺停止になった。低酸素脳症により、現在も寝たきりの状態で、目も見えず、言葉も話せない。テニス部顧問の教師は事故があった日、途中まで練習に立ち会っていたが、出張のため途中から抜た。
学校側が安全配慮義務を怠ったとして、女性の両親が10年に兵庫県を提訴。一審の神戸地裁は、女性が倒れた原因が熱中症とは言えず、自主的に休憩を取ることも可能だったとして、両親の請求を棄却した。しかし、二審の大阪高裁は、女性が部活動中に熱中症にかかったことを認め、顧問の教師が水分補給をするよう指示しておくべきだったとし、学校側の責任を認めていた。
神戸新聞は事故から8年になる今年5月、女性と娘の介護を続ける両親に取材している。同紙によると、女性は硬式テニス部のキャプテンで、事故があった日は中間試験の最終日で、11日ぶりの部活動だったという。
練習は高校から約1キロ離れたテニスコートで正午ごろから始まり、女性は午後3時ごろに最後のランニングをしているとき倒れた。テニスコート近くは当時、最高気温が27度だったという。