不正会計問題発覚後、経営立て直しを急ぐ東芝が、最大7000人規模のリストラや、子会社「東芝テック」などの売却を検討しているという報道について、東芝は15日、「当社から発表したものではなく、現時点で決定した事実はありません」などとするコメントを発表した。
日本経済新聞(電子版)は15日未明、東芝が14日、白物家電やテレビ事業で最大7000人程度をリストラする方向で最終調整に入ったなどと伝えた。同紙はまた、テレビやパソコンの開発拠点である「青梅事業所」(東京都青梅市)を大幅に縮小し、テレビ事業では開発から撤退することも検討するなどと報じた。
共同通信も15日未明、東芝が子会社「東芝テック」の売却を検討していることが14日までに分かったと伝えた。同通信は、東芝テックの売却は、原子力や半導体などの主力事業に注力するためのリストラの一環だとし、現在東芝が売却先を広く探しており、投資ファンドも候補に浮上している模様などと報じた。
こうした報道を受け、東芝は15日、「当社グループのPC事業、テレビ事業、白物家電事業について、事業売却を含むさまざまな報道がありますが、当社から発表したものではなく、現時点で決定した事実はありません」とコメント。「これらの事業については、制約を設けることなく、抜本的な構造改革を検討していますが、具体的に決定したものはなく、個別企業と具体的に合意した事項もありません」などとした。
売却の検討が報じられた東芝テックは15日午後3時半現在、公式サイトで報道に対するコメントなどは掲載していない。東芝テックは、事務機器を手掛ける東芝の上場子会社で、共同通信によると、販売時点情報管理(POS)システム事業が不振で、今年9月の中間連結決算では純損益が740億円の赤字だという。
一方、TBSは15日午前、東芝が東芝テックだけでなく、医療機器を手掛ける子会社「東芝メディカルシステムズ」の売却も検討していると伝えた。