東京・銀座の日本基督教団・銀座教会は、クリスマスのキャンドルサービスに使用するキャンドルに蜜ロウを用いようと、銀座でミツバチを飼うNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」との協力で蜜ロウ製作を行った。製作に当たったのは教会員で「創作キャンドルの会」主宰の酒井悦子さん。朝日新聞が伝えた。
同教会の主任牧師を務める長山信夫氏は同紙に対して、「ミツバチたちが礼拝に参加してくれているようでうれしい」とコメント。古来より礼拝堂の明かりに役立ってきた蜜ロウを通し、神が与えてくださった自然の賜物を礼拝に用いられることに感謝して語った。
蜜によるロウソクは歴史上最も古くから存在し、完全燃焼するため、無臭ですすが出ず、明るい炎が得られるという特徴がある。
今日までキリスト教と蜜ロウの関わりは深く、復活祭からキリスト昇天の祝祭日までの期間、火が灯され続けるキャンドルには蜜ロウが用いられ、そのために寺院や修道院でミツバチを飼育するなど蜜の利用は重要視されてきた。カトリックの教会では、いまでも純粋な蜜ロウ、または蜜ロウが含まれたキャンドルを大祭で使用している。
一方、「銀座ミツバチプロジェクト」は銀座でのミツバチ飼育を通じて、人間と自然とが共存し、継続できる自然資源の循環を体験しようと昨年3月からスタートした。採れたハチミツを銀座各店のケーキやスイーツなどに用い、蜜ロウをキャンドル作製のために用いるなどの活動を行っている。