キリスト教徒を「反同性愛者」で「頑迷」と非難した英BBCラジオの司会者が辞職した。
BBCラジオの朝番組司会者、イエイン・リー氏は、バリー・トレイホーン氏の事件について、クリスチャンコンサーンのリビー・パウエル氏にインタビューを行った。
トレイホーン氏は、刑務所での礼拝で反同性愛的な聖書箇所を引用したとして警告を受けた。番組の中でパウエル氏は、トレイホーン氏の聖書を引用する権利を弁護したが、同性愛が罪だと述べたことは批判した。
「彼(トレイホーン氏)の説教はヘイトスピーチです。肌の色や、異なる宗教の神を信奉することに関係なく、ヘイトを広げる者は好きではありません。とにかく、ヘイトスピーチをする者は好きではありません」と、インタビューの中でリー氏は語った。
リー氏はパウエル氏に対し「頑迷さを支持するのですか」と尋ね、またその後、「あなたは頑迷なので(聖書に)疑問を持たないことを選んだのです」などと述べた。
「人々がキリスト教を好まない、一つの理由があります。それは人々が、キリスト教を頑迷で、時代遅れで、反同性愛的だと見なしているからです。そしてそれを吹聴するあなたのような人々が、私の心を痛めているのです」
クリスチャンコンサーンが支持者に、BBCに対して苦情を入れるよう呼び掛けたことを受け、リー氏が謝罪するとともに、BBCのスポークスマンは、リー氏が「この局ではもう司会をすることはありません」と発表した。
「この番組は好戦的なスタイルで有名で、BBCは司会者の発した言葉をすべて受け入れます。リー氏のこれらのインタビューでの口調は、幾つかの点で不適切でした。BBCとイエイン・リー氏自身も、これらについて謝罪します」
この決定はソーシャルメディアでも話題となり、LBCラジオの司会者、イエイン・デール氏は、BBCの決定を「恥辱」だと断罪した。
「イエイン・リー氏へのBBCの処分は恥辱だ。もし私が彼と同じことを言い、頑迷さに対して立ち上がったなら、LBCは私を称賛しこそすれ、封じはしないだろう」(イエイン・デール氏のツイッターより)
LGBT(性的少数者)向けのニュースサイト「PinkNews」CEOのベンジャミン・コーエン氏や、著名アナウンサーのクリスチャン・オコネル氏もデール氏を支持した。
「イエイン・リー氏が朝番組を降板したという悪いニュースが入った。彼は聡明(そうめい)だ」(クリスチャン・オコネル氏のツイッターより)
「全くもって滑稽な状況だ。反同性愛の偏屈者に対して立ち上がったイエイン・リー氏に称賛を。BBCは恥を知れ」(ベンジャミン・コーエン氏のツイッターより)