北海道の知床斜里と網走を結ぶ冬季限定の観光列車「流氷ノロッコ号」が、今季の運行を最後に廃止される方向であることが、11日までに分かった。客車を牽引するディーゼル機関車の老朽化により、運行を維持するのが難しいと判断したためだという。北海道新聞などが伝えた。
同紙によると、JR北海道は10日、流氷ノロッコ号を来季廃止の方向で検討していることを沿線自治体に伝えたという。一方、今年で運行25年となる流氷ノロッコ号は冬の名物となっており、同紙は「流氷観光を売りにする地元自治体などの反発は必至」と伝えている。
JRでは老朽化したディーゼル機関車を順次廃止する方向だが、機関車は除雪作業にも使用するため、流氷ノロッコ号の運行に必要な数を確保できなくなる見込みだという。一方、産経新聞は、JR北海道関係者の話として、赤字となっていることも廃止の一因だと伝えている。
1990年に運行を開始した流氷ノロッコ号は、毎年1月下旬から3月上旬の流氷観光期に運行される観光列車。知床斜里〜網走間を時速約30キロの低速で1日2往復し、流氷に埋め尽くされるオホーツク海を楽しむことができる。今季は、来年1月30日〜2月28日の運行予定。