日本基督教団は22日、公式サイトに、9月19日に参議院本会議で可決された安全保障関連法に関する石橋秀雄総会議長の声明(20日付)を発表した。石橋議長は声明で、同法が立憲主義に反するものだと抗議するとともに、政府に対して同法の廃止と、憲法の理念に基づく政治に立ち戻ることを要求した。
石橋議長は、同法が憲法に違反すると非難。戦後70年間認めてこなかった集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことで、自衛隊が他国の戦争に駆り出される道を開いてしまったと指摘した。また、同法可決後も続く国民の声の高まりは、同法に関する説明の不十分さや、その説明内容について国民の理解と同意が得られていないことを表しており、同法の可決は国民の声や意志を無視していると非難した。
その上で、安倍晋三首相をはじめとする政治の責任を担う人々に、「この世界における真実の平和の実現にこそ寄与する政治を行うことを強く求めます」と訴え、今後も同法が廃止されるために祈り続け、声を上げていくと表明した。
石橋議長は声明冒頭で、マタイによる福音書5章9節の「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」という聖書の言葉を掲げ、キリスト者として、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」(憲法9条)、武力の行使によらない平和の実現のために力を尽くすと記している。
また、アジア・太平洋戦争で、アジア近隣諸国に多大な苦しみを与えたと謝罪。70年前の敗戦とそれに関わる苦難の歴史を決して忘れることなく、聖書の言葉に聞き従って、「平和を実現する」国民として今後も歩みを続けるとし、「世界のすべての人々の上に、平和の主イエス・キリストの恵みと導きを祈ります」と声明を結んでいる。