キリスト教徒を含む世界の宗教者が共に集まり、より平和で公正かつ持続可能な世界の達成について話し合う世界宗教会議が、15日から5日間にわたり、「私たちの人間性のこころを取り戻す」をテーマに米ユタ州ソルトレイクシティーで開かれた。会議は1893年にシカゴで開かれた万国宗教会議(World’s Parliament of Religions)の流れをくみ、宗教間対話の会議では世界で最も歴史があり、最大かつ最も包括的とされている。
同会議には、世界80カ国以上から50の宗教に属する1万人が参加し、「われら共通の未来を抱きしめて:気候変動に関する行動の宗教間による呼び掛け」「ヘイトスピーチ、暴力と戦争に関する宣言」「収入の不平等と貧富の格差拡大に関する宣言」「女性の尊厳と人権のための宣言」「台頭する青年指導者たちと共に立つ宣言」「行動のための先住民族宣言」という6つの宣言を採択した。これらの宣言は、会議終了後の現在もなお、署名を英文ウェブサイトで募っている。
70人を超える主な発題者の中には、著書に『神の歴史』『狭き門を通って』などの日本語訳があるカトリックの元シスターで作家のカレン・アームストロング博士(英国)、北アイルランドのノーベル平和賞受賞者マイレッド・コリガン・マグワイア氏、米国のキリスト教NPO「ソジョーナー」会長で創立者のジム・ウォリス氏、南アフリカ共和国のオランダ改革派教会牧師で反アパルトヘイト活動家のアラン・ボエサック氏、クリスチャンの作家で運動家のブライアン・D・マクラーレン氏なども含まれていた。
1993年にシカゴで開かれた100周年記念会議では、「地球倫理に向けて」と題する宣言文を採択。その後、1999年に南アフリカのケープタウン、2004年にスペインのバルセロナ、2007年にメキシコのモンテレー、2009年にオーストラリアのメルボルンでそれぞれ開かれている。
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