過激派組織「イスラム国」(IS)は、南スーダン国民と称するキリスト教徒の男性を斬首して殺害する動画を公開した。
リビアのIS支部により公開されたこの動画は、オレンジ色のつなぎの服を着た人質が、名前と国籍などを含む短い声明を述べている様子をおさめている。
その後、この男性はひざまずかされ、斬首された。
男性を斬首した者は、この殺人行為を南スーダンでのイスラム教徒に対する迫害の報復だと正当化した。
覆面をし、黒ずくめの服装をしたIS戦闘員は、「これは南スーダンにおいて、キリスト教徒の侵略者の手による不正義、殺りく、虐殺に苦しむイスラム教徒の兄弟へのメッセージだ」と述べた。
「私たちはあなた方に、アッラーがあなた方のために報復し、あなた方を守るためにカリフの兵士を備えられたという良い知らせを運んでいる。私たちはあなた方を害するすべての手を切り落とす。南スーダンのキリスト教徒は、彼らが殺害すれば殺害され、私たちの兄弟を追放すれば私たちに同様に追い出されることを知るだろう。・・・ISの他に、安全とシェルターはない。あなた方が私たちと戦うなら、私たちもあなた方皆と戦う」
この動画は、リビアのキレナイカにあるIS支部が公開したとみられる。動画には、ファラジ・アル=サイティという名のリビア人兵士が銃殺される様子も映っていると、「リビア・ヘラルド」は報じた。リビア北東部のデルナで撮影されたとみられている。
南スーダンは世界で最も新しい国で、イスラム教徒が人口の97%を占めるスーダンから独立した。
2014年度の米国の「世界の宗教の自由に関する報告書 」では、南スーダンのイスラム教徒に対する組織的な差別については言及されていない。同国のイスラム教徒は、人口の20%を占める。