イスラム教を国教とするマレーシアで神学校を設立し、今では東南アジア5カ国で毎年500人以上の卒業生を各国の宣教へ送り出している伝道者レイモンド・ムーイ氏が29日、東京都北区の滝野川会館で来日講演を行った。ムーイ氏は、「キリストを信じ受け入れた人は、だれであっても、神の子どもとされる特権が与えられる」(ヨハネ1:12)と、イエスを信じる者はだれであっても、「霊、たましい、からだ」(Iテサロニケ5:23)に及ぶ全人的な癒しの恵みが、その人の信仰を通して与えられると説いた。
同氏の来日セミナーは今回で3度目。今年の6月と9月に開かれたセミナーに引き続き、今回も集会中に具体的な神の癒しの奇跡を体験する参加者が続出した。この日は平日にも関わらず、2回の集会で延べ300人以上が集まった。
午後2時からの集会でムーイ氏は、「あなたが完全に元気にされるのは神の御心」であると語り、神の子とされたキリスト者が霊的にも肉体的にも健康であることは、父であり、癒し主である神が当然望んでいることだと説いた。
12年間も長血を患っていた女性を癒されたイエスは、その女性に「あなたの信仰があなたを直したのです」と語られた(ルカ8:48)。ムーイ氏は、「私のために死んでよみがえられた、そのイエスを信じ受け入れた人には、神の子とされる特権が与えられる」(ヨハネ1:12)「神の子となるのに特別な条件はない」と語り、だれであっても、ただ信仰によって神の子とされることを強調した。
また、「神の子」とされた者の人生には神が介入し、必要なものを満たして「神の子として生きる生き方」(実際の状態の変化)を与えられる、と説いた。
ムーイ氏は、「イエスは、私たちの病を負い、私たちの痛みを担ってくださった」(イザヤ53:4)「安い代価ではない。イエスは全部を支払われた」と語り、イエス・キリストのあがないの力は一時的なものではなく、いまも変わりなく絶大な効力を持ち、人を病で苦しめる悪霊(あくれい)もイエス・キリストの御名によって、いまも追い出すことができると説いた。
講演後、ムーイ氏がイエス・キリストの御名によって人々の病のために祈ると、会場から具体的な癒しの奇跡を体験した人々が次々と立ち上がり、癒し主なる神をほめたたえた。
ある女性は12年間も摂食障害で悩み、骨粗しょう症の症状もあったが、祈るうちに自分の身体が温かいもので包まれ、気付くと身体の痛みが消えていたと涙で証しした。「物を何も担げなかった腰が祈りの中で回復し、いまでは人も背負える」「視力が回復した」「腕も上げられなかった肩の痛みがなくなった」などの肉体的な癒しのほかにも、「うつ病から回復できる力をもらった」「心の痛みがなくなった」などの精神的な癒しを体験する参加者もいた。
最後にムーイ氏は、まだイエスを救い主として受け入れていない人々に向かって、「自分の罪がゆるされたいと願い、重荷が取り除かれるようにと祈るなら、これからの人生を罪の意識だけをもって生きたくない、神の与える恵みを喜び祝うことができるように、という思いが心にあるなら、あなたのために祈ります」と語りかけた。すると、その場で信仰を決心した数人の参加者が手を上げ、信仰を表明した。