ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ、以下ワールド・ビジョン)が主催する体験型イベント「教科書にのっていないアフリカ」が28日、東京・新宿の同事務所建物内で始まった。この企画は、ワールド・ビジョンがこれまでの援助活動を通して関わってきたアフリカの4人の子どもたちの生活を、ビジュアルとサウンドを通して疑似体験し、過酷な状況の中でも懸命に生き、一日一日を乗り越える子どもたちの姿を伝えるもの。「子どもたちはいま、何を必要としているのか」、「私はこれから何をするべきか」を、来場した一人ひとりが真剣に考え、具体的な援助へと発展させる機会となっている。
会場ではまず、疑似体験を希望する子どもを1人選び、デジタルオーディオプレイヤーを渡される。ヘッドフォンから聞こえる声は、「あなたは、これから (選んだ 子どもの名前) の人生を体験しようとしています」と語り、その子のいのちを体験する旅が始まったことを告げる。
会場はパーテーションで区切られ、繋がった部屋がいくつもあり、迷路を歩いているような雰囲気。ガイドの声に従い、カーテンをくぐって部屋の中に入ると、子どもの生活の様子を伝える写真が飾られ、ぼろぼろに着古した服や、汚れたポリタンクなど、壊れかけた生活用品が無造作に転がっている。そして音声ガイドがそこに生きる子どもの姿をリアルに描き出していく。
同企画はすでに世界5カ国でも行われており、反響は大きい。これまでの動員数は5万人に上る。来場者たちは、闇の中を手探りで歩くような困難な状況に生きる現地の子どもたちの現実を知り、「この状況を変えたい」、「子どもたちを助けたい」と声をそろえて語る。
アフリカの子どもたちは貧しく困難な状況の中でも懸命に生き抜き、ワールド・ビジョンのスタッフをはじめ、多くのボランティア団体による保護を受け、援助に支えられて生活している。
ワールド・ビジョンでも「チャイルドスポンサー」という子どもたちへの援助プログラムを取り組んでおり、戦争と貧困と災害の中に生きる、ただ1人の子どもを救うための活動を熱心に進めている。同企画で紹介されるアフリカの子どもたちは、今日も1人1人の支援によって支えられ、遠く見知らぬ国から命の糧となる希望を与えられて生きている。
来月1日まで行われ、開催時間は午後2時から同9時まで(最終入場時間は同8時半)。12月1日のみ午前10時から午後3時半まで。入場無料。会場は、東京都新宿区百人町1‐17‐8。JR総武線・大久保駅北口から徒歩3分、またはJR山手線・新大久保駅から徒歩5分。問合せは、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(電話:03・3367・7253)まで。