日本カトリック正義と平和協議会・平和のための脱核部会は、九州電力川内原発の再稼動に強く抗議し、停止を求める声明文(12日付)を、安倍晋三首相、田中俊一原子力規制委員会委員長、瓜生道明九州電力代表取締役社長宛に送付した。
声明文は同部会長の光延一郎神父の名で出され、「私たちは、日本社会が福島原発事故を直視し、脱原発を求める多くの人々の声に耳を傾け、核という現在のみならず未来のいのちをも脅かすエネルギー政策を問い直し、自然と人類に負荷の少ない発電方法に速やかに移行することを強く求めます」などと記されている。
一方、カトリック信者で麻生太郎副総理兼財務相の弟でもある九州経済連合会会長の麻生泰(ゆたか)氏(麻生セメント社長、福岡雙葉(ふたば)学園理事長)は、川内原発の再稼働を歓迎するコメントを出した。12日付の西日本新聞などが報じた。
同連合会は昨年、泰氏の署名入りで、「川内および玄海原子力発電所の一刻も早い再稼働を求める」と題する要望書を政府に提出し、公式サイトに掲載していた。
泰氏は麻生グループの公式サイトに「一度の人生(Q)カトリック信者として」と題する文章を掲載している。福岡雙葉学園は福岡市にあるカトリックの女子校。
九州電力は11日、地元の賛否が割れる中で、川内原発1号機の原子炉を起動し、14日に発電を再開したと発表した。