韓国基督教教会協議会(NCCK)と韓国YMCA同盟、韓国YWCAは7月27日、北朝鮮との和平条約を締結するよう、韓国の大統領府に強く要請した。NCCKが公式サイトで同日伝えた。
NCCKの発表によると、韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領に提出されたこの要請書には、ドイツやカナダなど700人の外国人を含む1万2935人が署名したという。
これら3つの団体は同日午前11時にソウルで記者会見を開き、朝鮮戦争の停戦合意(1953年)では恒久的な平和体制を築くことができなかったとして、南北に分断されている朝鮮半島に恒久的な平和をもたらす第一歩は、朴大統領が指導的な役割を担うことだと述べた。
また、アジアキリスト教協議会(CCA)は2日、NCCKが北朝鮮の朝鮮基督教徒連盟(KCF)中央委員会と共同で作成した朝鮮半島の平和と統一のための共同祈祷文の英訳を公式サイトに掲載した。在日大韓基督教会は日本語訳を公式サイトに掲載している。この祈祷文は、朝鮮が日本の植民地支配から独立した光復節(8月15日)の前の日曜日である8月9日に用いられるという。
祈祷文には、「歴史をつかさどられる神よ、今年で光復70周年を迎えました。日帝による植民地時代の厳しい迫害を耐え抜いて迎えたあの日、私たちは解放の歌を歌いました。あの日、胸で歌うこの歌は南と北、『平壌とソウル』のどこでも、まるで涙のように流れ出ていました。今もその声が心臓にこだまするようです。しかし私たちは今日、植民地時代に劣らぬほどの憎悪を抱き、敵対的な分断状態を生きています。主よ、私たちを憐れんでください」などと記されている。
南北分断と強大国による圧迫を経て、戦後70年の間待ってきた今、主の全き平和を希望するとともに、その間繰り返されてきた葛藤と対決の歴史を一日も早く終わらせることを願うことが記されている。
一方、世界教会協議会(WCC)は3日、加盟教会に対し、9日に朝鮮半島の平和と統一のための祈りに加わるよう呼び掛けた。NCCKのキム・ヨンジュ総幹事は、「世界の友、神の平和の支持者たちへ」宛てた7月7日付の手紙で、「朝鮮半島の平和と統一のために祈りましょう」と呼び掛けるとともに、その祈りを用いる礼拝の式文(英語)をその手紙と共に日本キリスト教協議会(NCC)に送った。
この式文には、朝鮮半島の南北統一のための悲願の祈りが込められた韓国の賛美歌「Ososo, Ososo」などが含まれている。この歌は『Thuma Mina つかわしてください』(日本キリスト教団出版局、2003年)では「おいでください」、『新生讃美歌』(日本バプテスト連盟、同)では「来ませ、来ませ」と訳され、主が来られるよう祈る歌となっている。
「8月15日は、1945年に朝鮮が日本の植民地支配の抑圧から独立を勝ち取ったことを祈念する日として、北朝鮮と韓国の両方で祝われている。しかし皮肉なことに、それはこの半島が二つの国々に分断されていく日でもあった」と、WCCは説明している。
「朝鮮半島の南北分断は、現代における最も大きな政治的・霊的課題の一つである」と、WCC国際問題教会委員会(CCIA)のピーター・プローブ局長は述べた。「毎年の祈りの時は、南北境界線の両側にいるキリスト教徒たちによって共同で持たれており、北朝鮮と韓国の全ての人々のための重要な連帯の行為である」
WCCは、2013年に韓国・釜山で行われた第10回総会からの鍵となる理念である「正義と平和の巡礼」の一環として、この祈りに加わる。この総会では、朝鮮半島の平和と統一に関する公式声明を採択し、「正義と平和、そしていのちのために闘っている」北朝鮮と韓国の人たちに寄り添うことを誓約した。