安全保障法案の採決が衆議院で15日から16日に行われると報じられている中で、平和を実現するキリスト者ネット(キリスト者平和ネット)や宗教者九条の和などは、この法案は「戦争法案」だとして、これに反対する集会への参加を呼び掛けている。
これらの集会には、14日午後6時半から日比谷野外音楽堂(東京都千代田区)で行われる「戦争法案反対!強行採決反対!7・14大集会&国会請願デモ」をはじめ、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」による衆議院第2議員会館前や国会正門前などでほぼ連日行われている行動が含まれている。
また、9日夜に国会前で行った集会に1万5000人以上を集め、若者を中心として全国的に広がりつつある「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)も、15日以降に国会前などでこの法案に対する抗議行動を予定している。これまで行われた同団体の集会の参加者の中には、クリスチャンの姿も見られた。
その他、マガジン9の「日本全国デモ情報」には、全国各地で今後行われる関連のデモの予定に関する情報が数多く記されている。
一方、日本YWCAは2日、「安全保障法制に反対する抗議声明」を安倍晋三首相と中谷元(げん)防衛相に提出した。
この声明文で日本YWCAは、「安全保障法案の廃案を求めるとともに、この法制定を推し進める安倍政権に対する強い抗議の意思をここに表明いたします」と主張。その歴史的背景として、「日本YWCAは先の戦争を阻止できず、戦争協力に追い込まれたことを反省することから、キリスト教の基盤に立ちかえり、二度と戦争することのないよう、平和のために努力することを誓って戦後の活動をスタートしました」などと記している。
この声明文で、日本YWCAは、個の尊厳を大切にし、国家権力の暴走を食い止める立憲主義に基づいた現行憲法を支持し、特に武力と全ての戦争を放棄すると明記した憲法9条の精神を誇りとしてきたと主張。しかし、現政権は憲法9条の精神から逸脱し、立憲主義をないがしろにしているなどと批判している。
その上で、「世界のYWCAと連携し、非暴力の平和構築活動の道を真摯(しんし)に歩んできた日本YWCAは、安倍政権によるこれら一連の憲法違反の行為に強く抗議し、安全保障法案の廃案を求めます」と結んでいる。
また、特定秘密保護法に反対する牧師の会も10日、「安全保障関連法案の強行採決をしないでください」と題する声明を発表し、自民党・公明党の全衆議院議員に直接送付した。