カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは6月30日、米国聖公会の主教会が教会法の結婚の定義を変更する決議をしたことに伴い、他のアングリカン・コミュニオンの教会にかかる圧力について深い懸念を示した。米国聖公会の主教会はこの日、米ユタ州で開かれていた総会で、結婚の定義の文面から一人の男性と一人の女性の間という文言を削除することに賛成多数の票を投じた。
ウェルビー大主教は、置かれている地域の事情に即して社会問題に対応する各聖公会の特権を理解しつつ、この決定を苦痛に思う人がいるのではないか、またアングリカン・コミュニオン全体だけではなくキリスト教界全体の、ひいては宗教間の関係にひびを入れる可能性があるのではないか、と述べた。
ウェルビー大主教はまた、世界中に苦難が起きているこの時、教会は外に目を向けるべきだと語った。「私たちは、スース、クウェート、リヨンで発生したテロ事件、またチャールストンで起きた差別主義者による襲撃によって愛する人を失った人や、その負傷者の世話をしている人たちと共に嘆き悲しみます」
ウェルビー大主教は、地域ごとの相互に頼り合う関係を強める場所となるように、アングリカン・コミュニオンの在り方について祈るよう要請。多様性と不一致に直面する中、そうすることで聖公会が平和のための力となり、主イエスの「すべての人を一つにしてください。・・・そうすれば、世は、・・・信じるようになります」(ヨハネ17:21、抜粋)という祈りに応えようとする存在になることを求めた。