カトリック名古屋教区の司教座聖堂であるカトリック布池教会で13日、松浦悟郎新司教(前大阪教区補佐司教、62)の着座式が行われた。これにより、松浦新司教が正式に同教区の5代目教区長、4代目教区司教に就任した。カトリック中央協議会が16日、公式サイトで伝えた。
松浦新司教の就任は、野村純一前司教(77)の定年による辞任を受けてのもの。ローマ教皇フランシスコは今年3月末、野村前司教の定年による教区長辞任願いを受理し、それに伴い同教区の新しい司教として松浦新司教を任命していた。
着座式が行われたカトリック布池教会は、保護聖人が聖ペトロ・聖パウロで、「聖ペトロ・聖パウロ司教座大聖堂」とも呼ばれている。収容人員は約700人で、着座式にも司教や司祭のほか、大勢の参列者が集った。
同協議会によると、着座式を終えた松浦新司教は、日本カトリック会館(東京都江東区)で15日から19日にかけて行われている、2015年度定例司教総会に参加。定例司教総会では、3月に行われた日本の司教団によるローマ教皇庁訪問(アドリミナ)の評価や、司教協議会委員会関連の人事、14年度の決算、01年に出された司教団メッセージ『いのちへのまなざし』の改定などについて討議することになっている。
松浦新司教は、1952年9月28日名古屋市生まれ。81年に司祭叙階、99年に大阪教区補佐司教に任命され、司教に叙階された。洗礼名はミカエル。これまでに、日本カトリック正義と平和協議会の担当司教(会長)を務め、「宗教者九条の和」「憲法9条を世界の宝に・ピース9の会」の呼び掛け人でもある。著作に『武器なき世界の実現を』『信仰の良心のための闘い』(共著)など。
カトリック名古屋教区は、愛知、岐阜、石川、福井、富山の5県を管轄する教区。1922年に、東京教区の一部だった愛知、岐阜の2県と、新潟使徒座知牧区の一部だった石川、福井、富山の3県とを合わせ、名古屋使徒座知牧区として新設された。初代教区長は、神言修道会(ドイツ)のヨゼフ・ライネルス司祭。62年に司教区に昇格し、2代目教区長であった松岡孫四郎司祭(当時)が、初代教区司教に叙階された。