イスラム教のラマダン(断食月)の時期に合わせて、ムスリム(イスラム教徒)のために祈ろうと、毎年発行されている祈りのガイドブック『ムスリムのための30日の祈り』が今年も完成した。今年のラマダンは6月18日から7月17日まで。日本では、『30日の祈り』発行部が、希望者に対しガイドブックを教会経由で無料配布しており、期間中、祈りへ参加するよう呼び掛けている。
日本語版の発行は今回で20回目。世界では1993年から祈られてきており、日本の『30日の祈り』発行部では、日本でもイスラム世界への関心が高まっていることから、愛と理解を深めて祈る人がさらに増えることを願い、今年は計4000部を配布するという。
今回のガイドブックは、米国の南部バプテスト連盟の宣教師として30年近くにわたって世界各地で開拓伝道し、イスラム教に詳しいデービッド・ギャリソン氏の著書『イスラムの家に吹く風』をもとに制作されている。ギャリソン氏はこれまで、キリスト教へ改宗した元ムスリム1000人以上にインタビューし、研究を行ってきた。同書では、イスラム世界を地理的・文化的な違いから9つの地域に分類して、イスラム世界を研究している。ガイドブックでは、この9つの地域をベースに、30日間毎日祈れるよう、各地域の解説と祈りの課題が紹介されている。
また、「現代のムスリムは何を信じているのか」「30日の祈りの目標」「祈りの地域」「イスラムの家の9つの家族」「ラマダン以後の祝祭日」といった、個別のトピックも取り上げられている。現代のムスリムの宗教意識や、それぞれの文化圏における歴史、ムスリムとの平和の築き方などが記載されている。
『30日の祈り』発行部は、「今後も継続できるよう、さらに参与者が加えられ、ラマダン期間以外にも、とりなしていただけますことを期待しています」としている。日本語版ガイドブックに関する詳しい問い合わせは、『30日の祈り』発行部(電話:090・9250・7309、メール:[email protected])まで。