【CJC=東京】アイルランドで22日、同性婚を認める憲法改正への賛否を問う国民投票が行われ、賛成票が反対票を大幅に上回る開票結果が23日発表された。国民投票で同性婚が合法化されるのは世界で初めて。
選管当局の発表によると、憲法改正に賛成する票は120万1697票と全体の61%以上に上り、反対票は73万4300票にとどまった。投票率は60%を超えた。全国43選挙区のうち、賛成の結果が出なかったのは1区にとどまった。
今秋には、憲法に「結婚は当事者の性別を問わない」と明記される。同性婚を認める憲法改正が実現しても、教会など宗教団体への強制力はない。
カトリック信徒が多く、1993年まで同性愛、96年まで離婚が違法とされ、結婚に準じる同性カップルの「シビルパートナーシップ制度」が2010年導入されたアイルランド。今回の同性婚合法化は、伝統的に保守的な社会の大変化を意味している。
カトリック教会ダブリン大司教区のディアミド・マーティン大司教は国民投票の結果を受け、公共放送RTEに対し「社会革命が起きている。今回の結果が若い人々の考え方を示すものならば、カトリック教会は大きな課題に直面していることになる」と語り、「教会は現実に向き合う必要がある」と付け加えた。マーティン氏は、同性愛者の権利は「結婚の定義を変えることなく尊重されるべきだ」として今回の住民投票で反対票を投じるよう呼び掛けていた。
英国の一部、北アイルランドでは同性婚合法化の見通しは立っていない。