芸術と社会貢献の融合をテーマとするイベント「live the live(リブ・ザ・ライブ)」のオープニングイベントが23日、代々木上原駅から徒歩1分のSPACE8で行われた。40座席の用意にもかかわらず当日は約50人が集まった。
「クリスチャンは世の中に出て行って影響を与えるためにいる。だからこそ伝道イベントにはあえてしたくなかった」と、イベントのコンセプトを語るのはギタリストの忍歩(しのぶ)さん。日本国際飢餓対策機構や、チャリティーイベントを企画・開催するNPO団体「Roots of Love」、スリランカで戦争により夫を失った未亡人の職業支援を行っているNPO法人「Gnadaa Japan(ナダァジャパン)」が協力して開催したこのイベントは、クリエイターと観客、チャリティーをつなぐイベントとして企画された。
午前11時半から始まった「Creator × Charity Time」では、ミュージシャンの松園さとしさんによるカホン体験レッスンや、Roots of Love によるフェアトレード製品やチャリティーについてのプレゼンテーション、ナダァジャパンによるスリランカのトリンコマリー刺しゅうセンターのオリジナル商品販売や文化交流などが行われた。
夜の部には、忍歩さんと松園さん、ゴスペル歌手のシャニータらが出演。アコースティック楽器を中心に、シャニータのオリジナル曲やイスラエル・ホートンの「Rez Power」、ジャクソン5の「I want you back」など、普段ゴスペルと親しみのない人も知っている曲を演奏し、観客を沸かせた。MCでは、「神様の愛を味わってほしい。私が味わったように、彼の力と癒やしが伝われば」などと伝えた。プロジェクターで映し出された歌詞には絵も添えられていたが、これはシャニータの友人であるイラストレーター、Kyonchi(きょんち)さんの作品だという。
「もともとチャリティーについて興味や関心のあるクリエイターやアーティスト、団体でタッグを組んで、それぞれの持ち味を生かしたイベントをやりたかった」と忍歩さん。いのちのことば社からCDを出したこともある彼はこの日、ギターだけはでなくキーボードも披露した。
「都内のライブハウスでライブをすると、結構な額を出してイベントが終わったら解散だけど、せっかくなら同じアートを見た者同士をつなげられるようにしたい」と忍歩さんは言う。この日は、ライブが終わった後には、アーティストグッズの代わりに、各団体のチャリティーに関連する製品やフェアトレードのコーヒー、チョコレート、またクリエーターの杉村亮さんによるコースターなどの作品が販売された。また、食べ物やジュースなども振舞われ、その日初めて顔を合わせる者同士も和やかな雰囲気でイベントは幕を閉じた。