人生とは、思い通りにいかないから面白いのかもしれません。自分の思い描いた通りにことが進んだとしたら、きっと退屈になってしまいます。
聖書は、「試練が誰にでもやってくる」ことと、「試練の中で脱出の道が与えられる」ことを教えます。
「あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます」(Ⅰコリント10:13)
試練に遭った時、「この試練は耐えられないものではない」事実を受け入れてください。それだけで必要以上に苦しまないですみます。
私は、毎年ガン検査を受けます。ガン検査で苦しいのは、バリウムを飲んでの胃ガン検査です。バリウムとともに炭酸を飲まされますが、ゲップがガマンできません。ゲップをしてしまったら、もう一度やり直しになるので、忍耐が必要です。検査の時間が永遠に続くように感じられます。検査の結果、再検査が必要だと言われたら、もっと苦しい胃カメラが待っています。拷問のように苦しいです。
みなさんにとっての試練は何ですか? 人それぞれですよね。他の人から見て何でもないと思えることでも、その人にとっては大変な試練ということがあります。
1994年に起こった「松本サリン事件」で、第一発見者の河野義行さんは大変な試練の中にいました。マスコミによって犯人に仕立て上げられ、奥さんはサリンを嗅いだことで意識不明になり、自宅から農薬が発見されたことによって、警察も河野さんを容疑者として疑いました。誤認逮捕されてもおかしくない雰囲気でした。当時、誰もが河野さんこそが、松本サリン事件の犯人だと思い込んでいたのではないでしょうか。
実際は冤罪でしたが、誰も信じてくれないその時、孤独で、つらい試練以外の何ものでもない時間を過ごした時、先ほど引用した聖書の言葉が河野さんを支えました。
聖書の言葉には力があります。あなたが試練の中にあっても大丈夫です。この聖句の通りの脱出の道が与えられ、あなたを支えてくれます。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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