米国の保守系ニュースサイト「ニュースマックス」は20日、「米国のキリスト教指導者トップ100」を発表した。上位には、大衆伝道者のフランクリン・グラハム氏や、米最大のメガチャーチ、レイクウッド教会牧師のジョエル・オースティーン氏、映画『サン・オブ・ゴッド』のプロデューサーとして知られるマーク・バーネット氏とローマ・ダウニー氏夫妻らが名を連ねた。
「膨大な情報が溢れ、罪の新しい在り方が生れている今日の世界におけるキリスト教の挑戦は、100年前のものとは全く違い、また1960年代にあった性の革命の時代のものとも違います。そして、ここに名前の挙がった方々の中には、講壇で説教していない方もいますし、伝統的な説教者でない方もいます」と、ニュースマックスはこのリストについて説明している。
1位に選ばれたのは、ビリー・グラハム氏の息子で、世界的に活躍している大衆伝道者であるフランクリン・グラハム氏。フランクリン氏は、キリスト教系慈善団体「サマリタンズ・パース」の代表でもあり、世界中で行われているキリスト教徒へ対する迫害について多く語り、オバマ政権がこのことを対外的に語らず、信仰者を十分に守り切れていないなどと非難してきた。現在96歳のビリー氏も5位に入った。
2位は、レイクウッド教会牧師のジョエル・オースティーン氏。同教会は礼拝参加者4万3千人を超える米最大の教会で、オースティーン氏自身はベストセラー作家でもある。
3位は、マーク・バーネット氏とローマ・ダウニー氏夫妻。2人が製作したミニドラマシリーズ「ザ・バイブル(The Bible、原題)」(2013年)は空前の大ヒットを記録し、この4月からは続編「A.D.―ザ・バイブルは続く(A.D. - The Bible Continues、原題)」が放送されている。また、「ザ・バイブル」を元に作られた映画『サン・オブ・ゴッド』(14年)は、メル・ギブソン監督による『パッション』(04年)に次ぐ反響を呼んだ。
4位はワシントン大司教のドナルド・ウィリアム・ビュール枢機卿、5位はビリー・グラハム氏、6位はサドルバック教会牧師のリック・ウォレン氏、7位は南部バプテスト派の牧師で前アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏、8位はリバティー大学学長のジェリー・ファルウェル・ジュニア氏、9位は女性テレビ伝道者のジョイス・マイヤー氏、10位はクリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワーク(CBN)創設者で会長のパット・ロバートソン氏だった。
南部福音主義神学校校長で、米クリスチャンポスト紙編集長のリチャード・D・ランド氏は12位。同じく同紙編集顧問で法律学が専門のプリンストン大学教授、ロバート・P・ジョージ氏は30位、全米ヒスパニック・キリスト教指導者会議(NHCLC)共同代表のサミュエル・ロドリゲス氏は63位だった。
ニュースマックスは、このリストに多様な背景や経験を持つクリスチャンが入っていることに言及。37位にはアメフト選手のティム・ティーボウさん、62位にはカントリー・ミュージックのアーティスト、キャリー・アンダーウッドさんらがいる。
「通常、芸能人やスター選手は宗教的指導者とは見られませんが、今日の彼らの影響力は、牧師やテレビ伝道者のそれに匹敵しています」と、ニュースマックスは説明。「また、この力あるクリスチャンのリストに入っているコメディアンたちはどうでしょう。一部の説教者と違い、彼らはその特権意識によって観客を居眠りさせたり、退出させたりするようなことはしません」などと記している。
さらに、今日の時流として、「伝道者のみかん箱(演台)はもはや不要です」と述べ、「キリストを受け入れること、また神に対し罪を犯すことの両方とも、今日ではパソコンの前で座っていながら行われていることです。応答として、この新しい世界は人生の予期しえなかった歩みから、キリスト教の指導者たちを前へ押し出しているのです」と続けた。