【CJC=東京】バチカン放送(日本語電子版)によると、「カトリック・ジャーナリスト」として活躍した神学者ロベルト・トゥッチ枢機卿が14日午後、ローマで死去。93歳。1921年4月19日、ナポリ生まれ。50年、司祭叙階。ローマの教皇庁立グレゴリアン大学で神学博士号取得、ナポリの神学院で教鞭を取った。
56年から、カトリック誌『ラ・チヴィルタ・カットリカ』に執筆を始め、3年後、編集長となった。第2バチカン公会議に「専門家」として出席し、「信徒使徒職に関する教令」などの起草に参加したほか、連日、バチカン広報室での記者会見を担当した。
73年から89年まで、教皇庁キリスト教一致推進評議会の顧問として、エキュメニズムのために神学者、ジャーナリスト、修道者の立場から様々な貢献をした。73年にバチカン放送局に入局し、長年にわたり総局長を務めた。最新技術の導入、新しい課の創設など、「教皇の放送局」としての情報の質の向上に尽力した。2001年、教皇ヨハネ・パウロ2世により枢機卿に任命された。
教皇フランシスコは、イエズス会総長アドルフォ・ニコラス神父に弔電を送り、「長年にわたる教皇庁への貴重な奉仕、その活発でダイナミックな生き方」を振り返り、「自らの召命に言動一致と寛大さをもって応え、人々の必要に関心を払い、福音と教会、そして聖イグナチオの模範に忠実な司牧者であった」として、冥福を祈った。