日本YMCA同盟の「YMCA地球市民育成プロジェクト」の報告会と第5期認証式が22日、東京・水道橋にある在日本韓国YMCAで行われた。夏期研修で立案したアクションプランの活動と、年間研修を通じての気づきが報告され、42人が第5期生として認証された。
このプロジェクトは、世界の課題に敏感に反応し、行動を起こす若者の育成を目的とし、国境を越えて起こる課題(グローバルイシュー)に取り組む「地球市民」を育てるプロジェクト。第5期となる2014年度は、全国から選考を通過した42人の若者が参加。また、夏に行われた英語を用いての1週間の宿泊型研修には、中国、韓国、台湾、香港、マカオ、インドネシア、ベトナムの7つの国や地域から、大学生と各国のYMCAスタッフ合わせて25人が参加した。
参加者した若者たちは、「経済格差」「サスティナブル(持続可能)な社会」「平和」「多文化共生」などをテーマに、身近にある課題から世界規模の課題まで、さまざまなテーマのアクションプランを立案し、実行した。日本YMCA同盟のサイトには、今期認証された42人のうち、4人のアクションプランの報告を掲載している。
熊本YMCA学院の日本語学科に通う中国出身の留学生、葉欣(ヨウ・キン)さんは、同学科に通う学生たちが抱える課題に注目した。多くの学生たちが持つ「日本人の友人を作りたい」「日本の生活に馴染みにくい」「孤独感がある」といった悩みに応えるため、卓球交流大会を企画したほか、ボランティアや街頭募金、国際交流を通して活動の場を広げる働きを行った。
その他にも、地域の子どもの貧困について調査するグループを立ち上げたものや、在日外国人への構造的な暴力の問題を止めるために、「真実」を伝える仕事やメディアが持つ可能性を模索したもの、国際感覚を身に付けるために何が必要かを尋ねるアンケートを実施したものなど、さまざまな活動の報告が行われた。
そして認証式では、42人の認証者に対して、プロジェクトの支援者やリソースパーソンから励ましの言葉が贈られた。
同プロジェクトにはこれまで、全国47の大学や専門学校から140人を超える学生・留学生が参加し、「地球市民認証」を受けている。また、海外からも、アジア太平洋地域の9つの国や地域から、大学生および平和構築や教育支援の最前線に関わる講師・スタッフら100人余りが参加し、共に学び、対話し、生涯にわたるネットワークを築いているという。また、同プロジェクトは、大学によっては、単位として認められる場合もあるという。
第6期生の募集は、2016年3月中旬頃を予定している。詳しくは、日本YMCA同盟のサイトまで。