隠れキリシタンが、長崎市南山手町の大浦天主堂でフランス人のプティジャン神父に信仰を告白した「信徒発見」からちょうど150年となる17日、同天主堂で記念のミサが執り行われた。この日は、午前10時からのローマ教皇特使を迎えての特別ミサの他に、朝6時半から夜7時まで7回にわたり連続ミサが執り行われた。
長崎大司教区の公式サイトによると、連続ミサは、希望者が信徒発見の場でミサに参加できるよう準備された。ミサの時間は、午前6時半、8時、10時、午後1時半、3時半、5時、7時。長崎新聞によれば、この連続ミサでは、長崎県内外から大勢の信者が集まり祈りをささげた。
また、特別ミサでは、ローマ教皇特使としてフィリピンから派遣されたオーランド・ベルトラン・ケベド枢機卿をはじめ、長崎大司教区の高見三明大司教ら約300人が参列したことも、同紙は伝えている。特別ミサの冒頭では、「全ての人が感動を覚える日本の教会の歴史を思い起こし、日々の信仰を輝かせてほしい」と、教皇フランシスコのメッセージがラテン語で読み上げられた。
続いて、高見大司教がメッセージを取り次ぎ、「先祖が粘り強く信仰を伝えてくれたおかげで、日本の教会は命をつなぎ、再出発できた」と語った。また、来年の世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」にも触れ、これを契機に「私たちの信仰を正しく知ってもらい、次世代と分ち合えるように最大限の努力をしよう」と呼び掛けたという。
連続ミサが執り行われた大浦天主堂は、1865年に建立された現存する日本最古の教会。豊臣秀吉のバテレン追放令により1597年に殉教した日本二十六聖人にささげられたもの。その教会堂において、約250年もの間信仰を守り通してきた偉大な先人が発見されたことは、まさしく「世界宗教史上の奇跡」と呼べる出来事。
そして、この出来事から150年目の今年、日本のカトリック教会の「長崎の信徒発見記念日」から、教皇庁により正式に許可された「日本の信徒発見の聖母の祝日」として祝われることが決まった。
信徒発見150周年では、17日の記念ミサの他にも、記念公開講座やシンポジウム、特別展などさまざまな催し物が行われた。また、女子パウロ会では、150周年を記念して「祈り」と題した小冊子を出版している。