キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンズー教など各宗教の指導者、政治家ら約300人が参加し、イタリア・ナポリで21日から行われていた「異宗教間サミット」は23日、「神の名の下に行う暴力や戦争は神への冒涜だ」との共同声明を発表して閉幕した。AFP通信が24日伝えた。
同サミットは聖エジディオ共同体が主催するもので、毎年開催されている。今年は「暴力のない世界:対話を通じた信仰と文化」をテーマとし、3日間に渡って話し合いが持たれ、暴力の他にエイズ、移民、アフリカ、中東和平などの諸問題について話し合った。
同通信によると、声明では「すべての人類にとって、暴力は常に敗北である」とし、徹底的に反暴力の姿勢を示した。また、暴力を伝染病にたとえ、「戦争、テロ、貧困、絶望、搾取」などの形をとって出現し、人々を傷つけ人間性を歪めるものだと非難した。サミットに参加したローマ教皇ベネディクト16世も、「われわれの使命は、それぞれの宗教の相違点を尊重しつつ、世界平和と人類の和解のために尽力することだ」と訴えた。
サミットを主催した聖エジディオ共同体は1968年、ローマで青年アンドレア・リッカルディという高校生の発案で仲間の高校生たちが集まり、福音を聞き、それを実行しはじめたことで始まった。共同体は初め、聖書の「使徒の働き」と、フランシスコ会の創設者としてしられるカトリック修道士、アッシジのフランシスコの姿を模範とした。小さいグループから始まった共同体ではあるが、今では世界30ヶ国にまで広がり、約3万人のメンバーがいるとされている。