多数の女性信者に性的暴行を繰り返していたとして強姦容疑で国際指名手配され、今年5月に中国・北京市内で拘束されたカルト団体「摂理」の教祖、鄭明析容疑者(62)について、国遼寧省の高級人民法院(高裁)が韓国側に身柄を引き渡すことを決めたことが20日、関係筋の話で分かった。共同通信が同日伝えた。
人民法院は9月末に引渡しの決定を下しており、今後最高人民法院(最高裁)と中国政府の承認が得られ次第、犯罪人引渡し協定に基づいて引き渡しが行われる予定であるが、それまでに約2〜3ヶ月の時間がかかると見られている。
鄭容疑者は今年5月1日、約1ヶ月前から潜伏していたとみられる別荘などを調査していた遼寧省鞍山市公安当局によって拘束され、これまで取り調べを受けて来た。
日本での摂理の信者は約2千人とされており、鄭容疑者による性的暴行の被害も多数報告されている。日本では87年頃から、主に関東、関西、九州の各大学で活動していたとされる。鄭容疑者は中国国内でも婦女暴行事件を起こし、中国全土でも指名手配されていた。
鄭容疑者によって80年ごろに始まった「摂理」は、韓国で99年、多くの女性信徒に対して性的暴行を行っていたことがテレビで報じられ問題が表面化し、同容疑者は国外へ逃亡。01年に、強姦容疑などで国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際指名手配されていた。