ニュージーランド聖公会のある主教が、ユダヤ教徒とイスラム教徒に対して攻撃的な内容の発言をした責任を取って、同聖公会の大主教たちが公式に謝罪した。
ニュージーランド南島の主教であるジョン・グレイ主教は、南島で初のマオリ人の主教。グレイ主教は教区の定例宣教学校に他の宗教の代表者らを招いた。「厳しい話」と題された全員出席のセッションで、グレイ主教はユダヤ教徒のスピーカーに、ホロコーストが「恐らくあなたがたに何か学びとなっただろう」と語った。
そしてグレイ主教は、2人のイスラム教徒のゲストに対して、過激派組織「イスラム国(IS)」と、国際テロ組織「アルカイダ」によって行われた虐殺に対して個人的に責任があるとし、それに対して何を行っているか、またなぜイスラム教は三位一体を受け入れないのかを尋ねた。
大主教たちは8日、グレイ主教の発言によって「引き起こされた傷」に対し公に謝罪した。謝罪文では、「私たち指導者は、ジョン(・グレイ)主教が表した立場を共有も支持もしませんし、ジョン主教の発言は、これらのことに対する聖公会の見解を代表するものではありません」としている。
謝罪文は3人のニュージーランド大主教、ブラウン・テュレイ大主教、フィリップ・リチャードソン大主教、ウィンストン・ハラプア大主教の名で発表されており、教会は「他の宗教を持つ人との関係と対話に価値を置きます」とつづられている。
ニュージーランドの週刊紙「サンデー・スター・タイムス」は、グレイ主教の発言は攻撃的だが、大主教たちの謝罪は歓迎するとするユダヤ教徒とイスラム教徒の声を伝えている。