大阪クリスチャンセンター(大阪市中央区)のOCCホールで2014年12月20日、知保子コストナーさんの大阪公演「小さな花の物語」が開催された。
ピンク色のワンピースドレス姿で華やかに登場した知保子さん。ピアノの前には座らず、スタンドからマイクを外して手に持つと、自身の作詞作曲による「DonDon DanDan(どんどん だんだん)」を披露。「DonDon DanDan」と歌うサビの部分では、アイドルのようなキュートな振り付けが入り、歌の合間には、「イエス、オフコース!」というセリフも。盛り上がった会場からは手拍子が沸き起こった。
歌い終わった知保子さんは、あいさつとともに、この曲の振り付けは、お嬢さんとピアノ教室の生徒が考えてくれたもの、というエピソードを語り、その温かな人柄で会場を和ませた。
続いて、グランドピアノを弾きながら「Who am I」という曲を切なく歌い上げた。舞台の大きなスクリーンには、知保子さんの夫であるクリストフ・コストナー氏が制作したという、知保子さん本人が登場する曲のイメージ映像が流れ、歌の雰囲気を盛り上げた。
5曲目に公演タイトルにもなった「小さな花の物語」が歌われると、舞台の雰囲気ががらりと変わり、スクリーンには手描きによる可愛いイラスト映像が登場。この曲は、知保子さんが見た夢を元に作ったものだという。ある一輪の花の一生を通して、生きることの希望が描かれた、メッセージ性に富んだ一曲だ。
歌と歌の合間に、イエスの証しや、数奇な家庭環境の故に愛されていると感じることができなかった幼少期の思い出、両親が認知症となり現在施設に入所していることなどが語られると、80〜90人ほどの来場者は皆静かに耳を傾けた。
今回の知保子コストナー大阪公演実行委員長である、安齋睦生牧師(主の花嫁教会)は、この区域全域を含め、公演のために1万3000枚のチラシを配布した。安齋牧師は、知保子さんの歌をユーチューブで初めてで聴いて以来、大阪クリスチャンセンターのOCCホールで歌っている知保子さんの姿がビジョンとして与えられ、知保子さんの公演を祈ってきたという。
その後、知保子さん本人から「今年12月に大阪の教会からお招きがあって大阪に行くので、安齋さんのお知り合いの教会、またはどこか小さな公民館などで、歌わせていただけましたら幸いです」と連絡があり、安齋牧師はすぐにこの大阪クリスチャンセンターの会場を予約したという。
「きょうはノンクリスチャンの方が、会場に2、30人入っておられ、よい伝道の機会になりました。それが一番嬉しかった」と、安齋牧師は喜びを語った。
コンサート終了後、参加した男性(53)は「ミュージカル仕立てでストーリーがあって面白かった」とコメント。また、知保子さんとフェイスブックを通じて個人的な付き合いがあるという40代の女性は、初めて生で聴いた「小さな花の物語」に涙が止まらなかった、と感動していた。
知保子コストナーさんは、2011年2月にファーストアルバム『Sound from Heaven(天国の音)』をリリースし、シンガーソングライターとしてデビュー。2014年4月にCD付き絵本『小さな花の物語』を出版、同年6月にセカンドアルバム『Who am I』(いのちのことば社)をリリースした。
自らが心に深い傷を負い、癒やされた体験をしたことから、回復の奥義を心に傷を持つ人たちに伝えたいと歌い続けているコストナーさん。自宅でピアノ教室をしながら、創作活動や施設慰問、教会コンサートなどを行っている。これまでにドイツ、ハワイでコンサートを行い、2015年には米国でのコンサートを予定している。現在、CMC(Chihoko Music Creation)として非営利活動を展開しており、ユーチューブで動画を公開している。サードミニアルバム『DonDon DanDan』を2015年2月にリリース予定。