世界には飢餓に苦しんでいる人々が数えきれないほどいる。それは物質的な食料だけにとどまらず、霊的な食料にまで及んでいる。「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」という主イエス・キリストの言葉に従い、神のみことばを伝えるキリスト教超教派の団体として、印刷物による文書伝道を行っている新生宣教団は、さまざまなプロジェクトを通して、多くの人に「みことばに生きる喜び」を届けている。
新生宣教団では、毎年一年に一度、クリスマスが近づくこの時期に、オアシス新宿店(東京都新宿区)の店頭でピーアール活動を行っている。クリスマス用品などを求めて来店する多くの人に、新生宣教団とその活動を知ってもらうことを目的としている。
特に、アフリカのウガンダ共和国の子どもたちへマンガ聖書を届ける「マンガプロジェクト ウガンダ」に力を入れている同団体は、「ウガンダサポーター」の募集を広く呼び掛けている。
ウガンダは、人口の70%以上がキリスト教徒で、子どもたちに対するキリスト教教育も非常に熱心に行われている国だ。しかし、キリスト教徒でありながら、また、教育に携わる教師たちでさえ、自分の聖書を持っている人はわずかしかいないという。
同団体は、2008年にカナダの宣教団体と協力し、小中学校の教師に一般聖書28万3千冊を贈呈。その反響は大きく、「子どもたちにも何かないだろうか」という要望を受けた。マンガによる福音伝道「MANGA Project」を行っていた同団体は、続けて80万冊のマンガ聖書をウガンダ政府公認のもとで公立小学校に届け、その翌年には、イエス・キリストの生涯をまとめた伝道用小冊子『ザ・メサイア』をウガンダに届けるという、このプロジェクトが始まった。
1000万人の子どもがいるといわれているウガンダに、その10分の1である100万冊の『ザ・メサイア』を届けることを目標にしている。20万冊ずつ5期に分けて発送する計画だが、すでに第3期まで達成しており、現在は第4期のためのサポーター募集が行われている。「1冊の冊子を、4~5人で読んでくれるとすれば、(ウガンダの)半数近くの子どもたちが聖書に触れられることになりますね。その子どもたちが成長し、一般聖書につながってくれれば」と同団体スタッフは期待を語る。
ウガンダは内戦で多くの子どもたちが犠牲となった歴史を持つ国だ。子どもたちを少年兵とし、親族を殺させるという痛ましい現状があった。そんな傷痕を抱えた子どもたちにとって、マンガそのものが非常に貴重な同国では、質の高いメイドインジャパンのマンガは本当に価値があるものなのだ。
普段も各地の教会を回り活動紹介をしているが、ピーアールのため店頭に立つと、直接顔と顔を合わせて話す機会の少ない人たちとも交流できるという。新しいつながりが生まれるのはもちろんのこと、メールなどでやりとりをしている支援者との思いがけない出会いも数多くある。
記者が話を伺っていた間にも、「いつもお世話になっております」と店内に嬉しそうな声が響く。ウガンダに行ったことがあるという客と、まだ現地に足を運んだことがないというスタッフの会話に花が咲いているのも面白い。景色が非常に美しかったことが印象的だったと話す客。「赤い道っていうのがありましてね」と、アスファルトで整備されていない、ウガンダの赤い土でできた道の話に、スタッフは興味深そうに耳を傾ける。「食料や教育の支援はよく聞きますが、伝道に力を入れているんですね」と、声を掛けられた多くの人が真剣に反応する。
前から興味があったが、きっかけがなかったという一人は、その場でサポーターの申込書に名前を書いてくれた。スタッフによる店頭ピーアールはこの日が最終日だが、店頭で「ウガンダサポーター募集」のチラシを受け取り、来年1月末までに申し込みをした人には、オアシス新宿店からゴスペルショップで使える商品券が贈呈されるという。
「ウガンダの子どもたちへマンガ聖書を届けるプロジェクトを行っています。新生宣教団はご存知でしょうか」。地道な活動だが、その一声の積み重ねが、遠いウガンダの地に「霊的な食料」となって確かに届いている。
新生宣教団「マンガプロジェクト ウガンダ」の詳細・問い合わせは、同団体ホームページまで。