4月にナイジェリアのテロ組織ボコ・ハラムが、同国北東部のチボク村を襲撃した際、逃げ出すことができた18歳のキリスト教徒の女子学生が、米国で行われたインタビューに答え、自身の苦難を回想し、イスラム武装組織が暴力ではなく、神に立ち返るように神に祈っていると語った。
「聖書では、夢の中でさえ、神は人々と話すことができると言います」と、マーシー・ポールさんは、米NBCニュースのインタビューで話し、「神が寛大で慈悲深いお方だということが分かり、彼らが暴力行為をやめるよう、私は神に祈ります」と語った。
ポールさんは、チボク村が襲撃された際、ボコ・ハラムによって誘拐された276人の女子学生のうちの一人だった。彼女はなんとか逃げることができ、現在米オレゴン州キャニオンビルの全寮制学校で学んでいる。
襲撃の際、武装集団がまず学校に火を付け、その後女子学生らをトラックに押し込み、森の中に連れて行ったという。ポールさんは当時を思い起こし、「私は(トラックから)飛び降りました。足が折れてしまうか、死ぬかも分かりませんでした」と語った。
他の数十人の女子学生たちも脱走することができたが、いまだに200人以上がボコ・ハラムによって人質になったままだ。
彼女たちの解放を求める国際的な運動や、ナイジェリア政府軍の努力にもかかわらず、女子学生たちはまだ見つかっていない。ボコ・ハラムのリーダーは、少女たちはイスラム教に改宗し、花嫁として売却したと話している。
このテロ集団とナイジェリア政府との交戦は5年以上も続き、武装集団はいくつもの町を急襲・占領している。11月初めには、チボク村に再度襲撃しに戻り、町がイスラム支配下にあると宣言した。
キリスト教徒はテロ集団による激しい攻撃の対象とされ、教会が爆破されたり、撃ち殺されたりしている。
ボコ・ハラムは幾つかの学校への攻撃も行い、11月初め、北東部のポティスクムで自爆テロが発生し、48人の学生が死亡した。
ナイジェリア政府は10月、ボコ・ハラムと停戦合意したと語り、誘拐された女子学生の釈放を求めて交渉していると報告したが、接触していたグループがボコ・ハラムの指導部ではないことが明らかにされたとき、望みは打ち砕かれた。
しかしながら、いくつかの非営利団体も、ナイジェリアの犠牲者を助けるために活動しており、ポールさんの米国への移住もキリスト教団体のジュビリー・キャンペーンによって可能となった。
同団体は、ボコ・ハラムから逃れた57人全ての女子学生たちが渡米し、学校を卒業できるよう、募金を募っている。