「一、二審で死刑判決を受け、現在上告中ですが、こんな私のことを救ってくださった神に心から感謝します。ハレルヤ。」 日本ハムファイターズのヒルマン監督やCCMソングライターの久米小百合さんを広告の柱とし、テレビCMや新聞、雑誌で大々的な広報を展開した伝道小冊子「パワー・フォー・リビング(PFL)」。その冊子を死を前にした死刑囚が読み、救われ神に感謝するという感想のはがきが送られてきた。
はがきを送った死刑囚は以前、拘留中に牧師と会い信仰を持つようになった。その後、著名人の証やキャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC)の「4つの法則」を基にした内容が書かれているPFLを読み、さらに救いに対する確信が深まったという。刑務所内では文通を通して同じ境遇にある人々を伝道し、これまで本人を合わせて3人の死刑囚と1人の覚醒剤常習者が救われた。さらに、現在2人の求道者がいるという。
世間からは冷たい目で見られ、死の宣告を受けた立場にある人々ではあるが、救われた感謝は一際大きく、一般の信徒よりもむしろ熱心に伝道しているという。死刑囚らと対話を続けている牧師は、イエスが取税人ザアカイや十字架にかけられた強盗を救われたことに触れ、今も神様は世間から「罪人」と見下げられた人を救われていると語る。また、創世記のヨセフ、使徒の働きにあるペテロの話などを挙げ、「牢屋は昔も今も神様が栄光を現されるところ」と語った。
PFLは今年、正月明けの1月第一週目から総額10億円以上ともいわれる大規模な広報によってノンクリスチャンを対象に配布されてきた。当初は、テレビCMなどの広告で100万部以上を配布する計画であったが、受注数が思うように伸びず、伝道のために用いてもらおうと教会や宣教団体などからの注文も受けるようになった。
キリスト教関係者からの受注を開始した後、復活祭を前にした3月末には全国の教会から注文が殺到し、配布数は100万部を突破。PLFの教会側窓口となった新生宣教団は、同時期にヒルマン監督の証が入ったトラクト配布も始め、トラクトと合わせてPLFの注文も増加したという。その結果、これまでに実に275万部のPFLが配布された。
今後は12月のクリスマスシーズンを前に、各教会で様々な伝道イベントが行われると予想され、PLFの配布数はさらに伸びそうだ。新生宣教団もそれに合わせ、今月中旬にはクリスマス用の新しいトラクトを全国の教会に無料配布する。ヒルマン監督のメッセージを収めた伝道講演会のDVDや久米小百合さんの証が入ったトラクトを送る予定だ。
PFLに関する証はこの他にも多数寄せられており、新生宣教団のホームページ内に設置された「パワー・フォー・リビング 証しの広場」(http://www.nlljapan.com/pflakashi1.htm)では、PFLを読んで感動したという声や、PFLを伝道に用いた牧師や信徒の証が掲載されている。