聖書に対する印象でよく耳にするのは「難しい」「読みづらい」「自分とは結びつかない遠い話」という言葉。しかし一方で世界で最も売れているベストセラーでもあり、あらゆる芸術文化の底に根付くのも聖書。読みたい、理解したいが難しそうだと敬遠してしまいがちな聖書を、より分かりやすい方法で紹介するのが、マンガで描く聖書の世界だ。
「売れている」という声が出版社から届く。2007年2月に発売された『マンガ聖書の時代の人々の暮らし』(バベルプレス)は初版が完売し、増刷が決定した。
その難解さから聖書を敬遠していた人や、教会で神の言葉を取り次ぐ牧師まで、「実に分かりやすくて面白い」と評判を集めるこのマンガには、聖書に書かれている当時の人々の日常生活が細かく描かれている。
他にも聖書の世界を紹介するマンガやアニメには、「マンガ聖書物語」(講談社)、「手塚治虫の旧約聖書物語」(集英社文庫)などがある。08年春には「みんなの聖書・絵本シリーズ全36巻」(日本聖書協会)第1巻が発売される。幼児教育の面からも、「読み聞かせ」ができる本として、絵で分かるやさしい内容にまとまっている。またバベルプレスでは、子ども向け聖書人名事典の出版を企画しており、来年に発売する予定で計画を進めている。
日本のマンガは近年、海外でも人気を拡大している。日本が誇るマンガやアニメの技術が、幅広い年齢層の人々に、さらに国境を超えて、世界の人々に神の御言葉を届けるための道具として用いられていくのか、今後の働きが期待される。