米国のキリスト者権利擁護団体「国際キリスト教自由」(CFI)や、英国の抑圧監視団体「世界キリスト教連帯」(CSW)など各キリスト教人権団体、各教派指導者らは、民主化を求める反政府デモに対して軍事政権が武力行使に乗り出したミャンマーのために祈るように呼びかけている。
ミャンマー政府の残忍な民族浄化運動によって圧迫を受けている少数民族カレン族の人道的援助を96年から続けているCFIは1日、声明を発表。「(ミャンマーの)この危険な状況のためにどのクリスチャンも祈るべきだ」と呼びけた。CFIはこれまで、難民が集中するタイとの国境沿いに学校や児童養護施設、病院などを建築を進めてきた。
一方、CSWのスチュアート・ウィンザー国内ディレクターは声明で、「我々は、世界中の各教派指導者が、また各キリスト者個人が、苦しみの中にあるビルマの人々のために今このとき祈り、声を出すことによって、聖書がいう正義のための命令を実行するように訴える」と、世界中のキリスト者に対してミャンマーのために積極的な祈りと発言をするよう求めた。
アメリカ合衆国長老教会(PCUSA)のクリフトン・カークパトリック大会副議長は潘基文・国連事務総長に1日に送った文書で、「このような武力行使によって自由を求める人々の霊を抑えることはできない」とミャンマー軍事政権を非難し、国連やASEANの指導者、周辺諸国、特に中国の指導者らが「次々と明らかになっているこの惨事を終らせるため働きかけるべきだ」と訴えた。
この問題を巡っては、国連特使としてガンバリ事務総長特別顧問がミャンマーを訪れ、2日には軍事政権の最高指導者であるタン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長と、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏と会談するなどしている。