イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」は1日までに、ナイジェリア政府が10月中旬に結んだと発表していた停戦合意を否定した。指導者は、「交渉していないし、交渉もしない」と全面否定し、交渉したとされる政府側の特使についても「知らない」としている。また、拉致された女子生徒たちについては、「イスラム教に改宗させ、結婚させた」と話した。AFP通信が10月31日に入手したビデオをもとに報じた。
ナイジェリア政府は10月中旬、ボコ・ハラムとの間で停戦が合意され、4月に同国北東部のボルノ州チボクの学校から連れ去られた200人を超える少女や若い女性たちを解放するための取引が成立したと発表していた。しかしその後も、政府軍との衝突による殺害事件やボコ・ハラムの犯行とされる拉致事件が相次ぎ、合意が疑問視されていた。
その名前が「西洋の教育は罪」を意味するボコ・ハラムは、4月の女生徒拉致により、国内外から強い非難を浴びた。国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によると、ボコ・ハラムは2009年の蜂起以来、これまでに7000人を超える一般人を殺害したと推計されている。
拉致された女生徒たちの無事帰還を求めるフェイスブックページ「Bring Back Our Girls(私たちの少女たちを取り戻せ)」のファン数は1日現在、23万人を超えている。英国では先月18日、聖公会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教を含む4万人のキリスト教徒が集まり、女生徒たちのために祈りをささげた。