【CJC=東京】クレア・ランドル元米NCC総幹事が9月9日、アリゾナ州サンシティで死去した。91歳。テキサス州出身。長老教会(PCUSA)で長老を務めた。
1974年から84年まで、第4代の米教会協議会(NCC)の総幹事に女性として初めて任命され、「左傾化」論議に巻き込まれる激動の時代にリーダーシップを発揮した。『教会婦人連合』(CWU)から、NCCに移り、総幹事退任後はCWU会長に指名された。
マイケル・E・リビングストン現NCC議長は「当時を振り返ると、彼女のリーダーシップ能力と明確なビジョンが、難局に立ち向かう時、神に選ばれた女性のものであったことは明らかだ」と言う。
総幹事として1983年、CBS放送のニュース番組「60分」やリーダーズ・ダイジェスト誌の、NCCや世界教会協議会(WCC)が政治的に左傾化しているという非難をめぐる論議に巻き込まれた。ランドル氏は、非難を断固否定する立場を崩さず、「60分」の司会者ドン・ヒューイットが2002年引退した時、番組の中で唯一後悔するのは83年の放送だった、と述懐している。
「聖職者と信徒が分かち合う証として、今日のエキュメニカル(教会一致)運動の根底を豊かに象徴する存在としての信徒女性であることで、彼女は多くのレベルで歴史を作った」と、クレア・J・チャップマンNCC総幹事代行は語る。
NCCでは教育・宣教部門、出版部門(フレンドシップ・プレス)の強化に努め、新改定標準訳聖書(NRSV)の実現に貢献した。