日本国際飢餓対策機構(JIFH)は、国連が定める「世界食料デー」(10月16日)に合わせ、11月中旬までの約1カ月半にわたり、「世界食料デー大会」を仙台から沖縄までの21会場で開催する。今年は、柏沼南(千葉県)と、中央大阪の2会場が新設され、「夢への一歩、ここから」をテーマに行なわれる。
大会が開催されるのは、宮城、千葉、神奈川、愛知、大阪、奈良、兵庫、広島、高知、福岡、鹿児島、沖縄の12府県21カ所。各地の大会は、各実行委員会によって計画・運営されており、開催内容やスタイルも工夫が凝らされているという。大会では、飢餓問題に関する講演会や海外駐在員による現地報告、コンサート、ゲーム、クイズ、フェアトレードグッズの販売などが行なわれる。
今年の現地報告は、ボリビア駐在の小西小百合氏とコンゴのジェローム・カセバ氏の2人によって行なわれる。また講演は、同機構の田村治朗氏(啓発総主事)、清家弘久氏(常務理事)、吉田知基(広報担当)、鶴浦弘敏(広報主任)らが行なう予定。
最初の大会はすでに9月28日にグレース大聖堂を会場に行なわれており、今後は、南大阪(4日、テクスピア大阪)、沖縄・久米島(8日、具志川農村環境改善センター)などで行なわれ、11月15日の仙台(青葉荘教会)まで続く。
同機構では、「あなたの一食分のご協力を」として、この期間に募金も集めている。世界では現在でも8億人以上が一日一食以下の生活をしており、「(日本のような)工業先進国の一食分は、開発途上国では家族全員分の食事数日分に相当する場合もあります」として協力を求めている。
昨年は全国から約1570万円の募金が集まり、貧困や困難な環境の中にある人々、子どもに対して、主に教育・給食支援をするために用いられた。今年は、ボリビア、ケニア、南スーダン、パキスタン、フィリピン、コンゴなどの国に対し、教育・給食支援を行なう。
今年のテーマ「夢への一歩、ここから」は、飢餓と貧困の中に生きる子どもたちが夢を持ち、その夢の実現のために一歩を踏み出すことができるように、という思いが込められている。同機構は、世界の子どもたちの現状として、2億1500万人が生きるために労働を強いられ、5秒に1人が栄養不足などで死に、6100万人が小学校にも行けない状況だと伝えている。
一方、国内のNGOも10月を世界食料デー月間として、様々なイベントを企画している。呼び掛け団体には、同機構のほか、アフリカ日本協議会、WE21ジャパン、オックスファム・ジャパン、国際農林業恊働協会(JAICAF)、セカンドハーベスト・ジャパン、ハンガー・フリー・ワールド、緑のサヘル、国連食糧農業機関(FAO)がある。
世界食料デーは、1979年の第20回国連食糧農業機関(FAO)総会決議に基づき、1981年に世界共通の日として制定された。世界の一人ひとりが協力し合い、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的している。