日本福音ルーテル教会社会委員会は、7月に閣議決定された集団的自衛権の行使容認について見解を発表し、武力行使への懸念を示した。
今月5日付けで出された見解では、集団的自衛権の行使容認について「『日本と密接な関係のある』戦闘状態の国の支援を武力によって行うことを容認するものであり、戦争行為をも辞さないことを表明するもので、『戦争の放棄』とは真逆の、戦争行為への道を開くものであると判断します」と指摘し、武力行使への懸念を示した。
また閣議での憲法解釈について、法の解釈には慎重さと熟慮が求められるとした上で、「今回のような与党における合議と閣議によって憲法が解釈され、それが実行されることは、立憲国家としてあってはならないと考えています。それは民主主義を自ら破壊する行為にほかなりません」と指摘し、批判した。そして、「国家の基本となる憲法の解釈には、司法による公正な判断と国民による審判が必要であると考えています」との見解を示した。
集団的自衛権の行使容認を巡っては、日本カトリック司教協議会常任司教委員会や日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会、日本同盟日本同盟基督教団「教会と国家」委員会、日本バプテスト連盟理事会、日本聖公会、日本ホーリネス教団などが抗議声明を発表している。