テキサス州ミッドロシアン市中の心を捉えた13歳の少年、イーサン・ホールマーク君の両親が、キリスト教系映画による伝道団体「I am Second」が撮ったドキュメンタリーの中で、過去4年間にわたるイーサン君の神経芽細胞腫(子どもがかかるがんの一種)ステージ4との闘いを伝えることにした。
イーサン君の病気との闘いについての短編ドキュメンタリー制作のための資金集めでは、すでに開始から72時間以内に2万ドル(約207万円)以上の寄付金が集まった。8月22日に始まった資金集めキャンペーンは、10月6日までに4万ドル(約415万円)を集めるのが目標だ。8月27日の時点で2万7千ドル(約280万円)以上が集まっている。
「4年前のイーサンは、医者になるのが夢という、普通の野球少年でした」と、「I am Second」の制作者は語る。「がんだと診断されてから、彼は意図せずして、家族、友人、そして地域社会にとって素晴らしい勇気のお手本となり、このような不治の病よりも大切な希望のメッセージを伝えるヒーローになったのです」
イーサン君の母親、レイチェル・ホールマークさんは次のように話す。「現在の治療の選択肢では、息子の病気は治療不可能です。今の時点では、複合遺伝子が複雑過ぎるのです。息子は徐々に私たちから離れて行っています。私たちは何とか息子を14歳まで生きるようにさせたい。できるだけ最良の人生を与えてあげたい。痛みのない全ての日が贈り物です。できるだけ多くの日がそうであるようにしたいのです」
「I am Second」の関係者によれば、ホールマーク家の人々と彼らの故郷ミッドロシアン市の人々は、深い絆を結び、同じように一喜一憂しながら、互いに励ましあうという素晴らしい関係を築いているという。
「もちろん僕はこの病気に勝ちたいです」とイーサン君は言う。「でもそれができなくても、それ程悲しいこととは思いません。だって、天国は単にとても素晴らしい場所というのではないんですから。天国は完璧な場所なんです。もちろん僕だって長生きはしたいです。したくない人がいますか?弟妹が一緒に中学に行ったり、高校に入ったり、卒業するのを見届けたい。自分だって卒業したい。しかし大事なのは、僕の計画ではなく、神様のご計画です。神様のご計画は完璧です。だから、結局どうなろうと、僕にとっても良いことなのです」
昨年、牧師とのインタビューの中で、教会の信者たち向けに自身の病気の治療と、腫瘍の発見、病気のぶり返しについて語りながら、イーサン君は次のように話していた。「これらのこと全てを通して、神様は本当に僕の心を苦しみから守ってくださいました。神様は常に僕たちと共にいてくださいました。毎日毎日私たちと共に歩いてくださっているのです」
「I am Second」の制作チームとディトレ・マヨ・エンターテイメントが制作したこの映画は、ドキュメンタリー風の映像を交えながら、イーサン君、彼の両親とミッドロシアン市の人々とのインタビューを通して、感動的な彼の物語を伝えるものだ。
「私たちはこのがんを無駄にしたくないんです」と、イーサン君の父親、マット・ホールマークさんは言う。「だって、イーサンはもうそれにかかってるんですから。この世にはそれを取り去る方法は何もないんです。問題は『それでどうするか?』ということです。だから毎日をできるだけ無駄のないように生きることにしています。神様が与えてくださる残りの日々を楽しむことにします」
「IndieGoGo」の資金集めのページには次のように説明されている。「イーサンの物語は単なる一人の少年の話に留まりません。家族と地域社会が、人生よりも偉大なものにおいて関わりあうことについてなのです。何百万人もの人々が共感でき、何百万人もの人々が見るべき人生の旅路です」
イーサン君の映画への寄付はこちらからすることができる。
「I am Second」は2008年に立ち上げられた非営利団体で、アスリート、俳優、モデル、ミュージシャン、政治家、一般人をカメラの前に立たせて「I am Second(私は2番目です)」と宣言させ、100本以上の映画を撮っている。そのウェブサイトでは、希望と変容の物語を複数掲載している。