アフリカ西部のシエラレオネにおけるエボラ出血熱の発生に対処する資源や準備の不足という課題にも関わらず、同国の諸教会はこの病気とその予防、そしてエボラ出血熱の被害者についての意識を高めるプログラムを開始した。世界教会協議会(WCC)が14日に公式サイトで伝えた。
シエラレオネ教会協議会(CCSL)のエブン・ジェイムズ・デカム総幹事は、世界の諸教会による国際緊急援助団体であるACTアライアンスからの支援を受けて、エボラ出血熱の危機に対応する上で社会を敏感にするための集中的なキャンペーンが加盟教会によって開始されたことを伝えた。
シエラレオネは西アフリカ諸国の一つで、エボラ出血熱の発症例のうちの約40パーセントが報告された国だ。最近のエボラ出血熱の発生は、それが1976年に発見されて以来、最も致命的な発生になってしまった。報道によれば、1000人を超える人々が死亡した。
デカム総幹事はある記事の中で、CCSLは全国エボラ特別委員会の加盟団体であり、そこを通じて諸教会がエボラ出血熱に関するコミュニケーションの量やトーン、影響力について影響を及ぼす機会を持っていると語っている。「私たちはほぼ毎日エボラ出血熱の進行に関する新しい情報を受け取っており、これは地元や国際的協力団体に広められています」と彼女は言う。
「個人的に私は心を動かされています」とデカム総幹事。「母親として、両親を失ったであろう子どもたちや、そのためにおそらく家庭や学校で良い教育を受けるつながりも失ったであろうことを考えています」と彼女は付け加えた。
デカム総幹事は、カトリックやペンテコステの宣教団体、そしてさまざまなイスラム教団体などの他の宗教団体と共に、CCSLは「団結した視点」をもってエボラ出血熱の危機に取り組んでいると説明している。
エボラ出血熱に関する宗教指導者特別委員会(RLTFE)を通じて、エボラ出血熱対策の講習会が地域社会で行われてきた。教会やモスクの最高指導者たちが説教壇からだけではなくラジオやテレビでも会衆に語りかけた。バケツ入りの塩素消毒をした水が今や多くの教会やモスクの入り口に見られると、デカム総幹事は言う。
CCSLの協力団体である「ブレッド・フォー・ザ・ワールド(世界にパンを)」のハンス・スピツェック博士は、「エキュメニカルな共同体はエボラ出血熱の状況や教会の対応について、CCSLのエブン・ジェイムズ・デカム総幹事を通じて学んでいる」と述べた。彼が述べたところによると、彼女の声は「教会はお手上げ状態でも神に裏切られたわけでもなく、自信を持ち、知識を持ち、活発である」ことを示しているという。
世界教会協議会(WCC)からの最近のメッセージの中で、WCC副総幹事兼総幹事代行のイザベル・アパウォ・フィリ博士は西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生に深い憂慮を表明した。
「一人に被害をもたらすことは、私たちみんなに被害をもたらすのです」と彼女は述べ、「とりわけ、効果的かつ憐れみをもってこの危機に対処するために無理をして必要なものや資源の多くが不足している、被害を受けた国々にある私たちキリスト教の保健サービスを通じて、被害を受けた兄弟姉妹を支援する適切な方法を探し出すように」と加盟教会に呼び掛けた。
なお、シエラレオネの南東にある隣国のリベリアにある諸教会は5日深夜、エボラ出血熱に対して3日間にわたる自宅での断食と祈りを開始した。リベリアのオンラインニュース誌『フロントページ・アフリカ・オンライン』が同日に報じた。教会の指導者たちは同国の市民一人ひとりにエボラに対する祈りを行うよう強く求めたという。
この断食と祈りはリベリア教会協議会(LCC)がリベリア福音協会や純福音派、ペンテコステ交友連合やその他のキリスト教団体との恊働で企画したもの。
しかし同誌などによると、同国では19日、エボラ出血熱が広がっている首都モンロビアとその周辺で20日から、午後9時から午前6時までの外出禁止令が同国のエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領によって出されたという。