ローマ教皇フランシスコが、今週14日から18日までの5日間にわたって韓国を訪問する。教皇の訪韓は、先々代のヨハネ・パウロ2世が1984年と89年に訪れて以来3回目。韓国のカトリック教会では、教皇訪韓準備委員会を早期から立ち上げ、準備を進めてきた。
訪韓中、教皇フランシスコは、朴槿恵大統領を表敬訪問し、韓国の司教団らと面会する。また、今回の訪韓最大の目的の一つである「第6回アジア青年大会(アジアン・ユース・デー)」(13〜17日、韓国中部の大田(テジョン)など)にも参加。聖アンドレア・キム・デゴン(金大建)の出生地や忠清南道唐津郡のソルメ聖地や西小門殉教聖地を訪問。ソウルの光化門では、パウロ・ユン・ジチュン(尹持忠)と123人の殉教者の列福ミサを行なう。さらに、韓国内の7大宗教の指導者らとも会見。プロテスタントからは、韓国基督教協議会(NCCK)のキム・ヨンジュ総務が出席する予定だ。
カトリック側は、「朝鮮半島こそ世界平和を最も脅かす地であると同時に、また新しい平和の時代を開くことができる現場」「南北(朝鮮)の調和と一致は、朝鮮半島の安定のためばかりではなく、北東アジアの平和、世界の平和に大きく貢献する重要なきっかけになる」とし、教皇訪韓の意義を強調している。
一方、プロテスタント側では、教皇訪韓の受け止め方に差がある。カトリックに対する見方は、保守・進歩それぞれの間で違いがあり、それぞれの典型的立場をいくつかの団体がそのまま継承している。中には、教義上の問題を指摘したり、聖人の扱いをめぐって訪韓に対して否定的な声も上がっている。しかし、概ねは、カトリックを「隣人」として見、朝鮮半島の平和前進を期待して歓迎する雰囲気だ。
韓国福音主義協議会(KEF)のキム・ミョンヒョク牧師は、いずれかの「極端」な姿勢は避けるべきだと語る。「カトリックを『異端』だと言って責め立てることも、それをあまりにも前に打ち出すこともやめるべきだ」と述べ、「そうではなく、歴史的に3・1運動や最近の北朝鮮支援のように、たとえ宗派が違っても、互いを尊重しながら共にすることができる部分がある。カトリックが持っている問題もあるが、学ぶ点もある。今回の教皇訪韓も、このような視点から見たい」と語った。
聖潔(ソンギョル)大学のペ・ボンチョル教授(歴史神学)は、「教皇の訪韓について、プロテスタント内で賛否が分かれる雰囲気があるのは望ましくない」と言い、「それ(教皇訪韓の議論)よりも重要なのは、プロテスタント福音派が、クリスチャンとしての生活と信仰を、信徒らにきちんと伝えているのかであろう」と強調した。
ペ教授はまた、「他宗教へ改宗する人々を見ると、その理由は、(各宗教が教える)真理の違いによるというよりも、通常は現在の信仰生活に満足していないか、あるいは福音へ対する渇きを解消できなかった場合だ」と指摘。「これはどの宗教でも同じ。したがって、プロテスタントは今回の教皇訪韓を契機に、信徒たちの福音と信仰へ対する要求にどのように応えてきたかを振り返り、不足していたり、間違えていた点を改善するなど、自らを省察することができなければならないのでは」と語った。