米国でアフリカ系米国人の公民権運動を指導したマーティン・ルーサー・キング牧師らと共に、米アラバマ州バーミンガムを中心に同じく黒人の人権のために活躍したフレッド・シャトルスワース牧師(85)が脳卒中で倒れ、現在入院中であると地元メディアが報じた。
伝えられたところによると、シャトルスワース氏は5日に倒れ、ケンタッキー州のジューウィッシュ病院へ運ばれ、その後、シンシナティ大学病院に移された。9日夜に集中治療を受け、娘のパトリシアさんによると、様態は少し良くなったが、家族以外の面会は出来ない状態だという。同氏は昨年、84歳の誕生日を迎えて牧師を引退したが、その後も様々な講演活動を行っていた。
シャトルスワース氏は、バーミンガムのベテル・バプテスト教会の牧師として、人種差別と戦い、「人権擁護のためのアラバマ・キリスト教運動(Alabama Christian Movement for Civil Rights)」などを結成。モントゴメリー・バス・ボイコット(1955〜56)でも主導的な役割を果たした。
自宅にダイナマイトが投げ込まれたり、また自分の子どもを白人が通っている学校に通わせたため、一家全員が白人優越主義者の標的になるなどしたが、怯むことなく活動を続けた。ベテル・バプテスト教会を解任された後は、オハイオ州シンシナティの教会で牧会した。