クリスチャンの詩画作家、星野富弘さん。群馬県に生まれ、地元で体育教師として指導中に頸髄を損傷。首から下がまったく動かなくなる障がいを負う。星野さんは9年間の闘病生活の中で、口に筆をくわえて絵を描き、それに詩を添えた詩画を創作するようになる。
全国各所で行われる詩画展には、多くのファンが訪れ、星野さんの作品を堪能し、心に何かを刻んで、その場を後にする。星野さんの作品の一つ一つが、さまざまな状況下で生活する私たち一人ひとりに何かを訴えるのだ。その根底にあるのは、聖書。信仰の有無に関わらず、彼の作品に魅了される人が多いのは、そこに主なる神が働いてくださっているからだろう。
群馬県みどり市にある富弘美術館を支援しようと、国内はもとより、ブラジル、ロサンゼルスにも拠点を置く「富弘美術館を囲む会」が設立された。各地での詩画展を企画・開催するほか、美術館へのツアーを企画するなど、各支部によってその活動はさまざまだ。
今年5月24日には、東京・神奈川支部主催によるイベントが同館前で開催され、Migiwa、Shizuka Living、Style Jun、大宮香織さん、TAKEO、Olive、CymBalら、クリスチャンシンガーたちによるライブが行われた。それぞれ星野さんの詩から好きなものを選び、この日のために書き下ろした曲に乗せて歌った。
イベントにはおよそ150人が来場。参加者は歌と詩に酔いしれた。その時の様子を、囲む会の大嶋英知さんは、「神様のご計画の中にあったものだと思う。導きの中で私たちが動かされ、実現することができた。素晴らしい一日だった」と語る。
自身も救いの道に導かれたきっかけが、クリスチャンシンガーとの出会いだったという大嶋さんは、「聖書の中で、イエス様が例え話を用いて弟子たちを諭したように、私たちも富弘さんの詩を通して、絵を通して、またクリスチャンシンガーの歌を通して信仰へ導かれることも神様のご計画ではないか」と語る。
現在は、こうしたクリスチャンシンガーのCDジャケットの撮影なども手掛けている大嶋さん。「祈りの中で撮影を行う時、自分が撮ったとは思えない画像に出会う時がある。『撮っている』というより、大きな力によって『撮らされている』という感覚に近い」と話す。
そして、聖書の「神様はすべての人が救われて、真理を理解するに至ることを、切に望んでおられるからです」(1テモテ2:4)の御言葉から、「全ての人たちに真理を知る権利がある。その真理を伝えるお手伝いができたら嬉しいですね」と語る。詩画、音楽、そして写真、それぞれの賜物を生かして、一人ひとりが主を賛美し、それを伝えているのだ。
9月6日には、渋谷にある東京山手教会で、クリスチャンシンガーと星野さんの詩画のコラボレーションとも言うべきイベントが開催される。5月のイベントで歌ったシンガーたちが出演する予定。多くの若者が集う渋谷で、音楽と詩画を通して伝道する新しいスタイルとなりそうだ。入場無料。事前申し込みの有無など詳細は、「富弘美術館を囲む会」東京・神奈川支部事務局(電話:044・833・2552)まで。
■「富弘美術館を囲む会」東京・神奈川支部のフェイスブック
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