聖書をビニール袋に入れて庭に隠す。数分間、聖職者に電話を通して聖書を読んでもらい、祈るなどして礼拝。米週刊誌「ニューズウィーク」は最新号(8日付け)で、北朝鮮で宣教活動をして死刑判決を受けたとされるソン・ジョンナム氏の問題を取り上げ、北朝鮮の地下教会に注目が集まっていることを伝えた。
同誌によると、北朝鮮のクリスチャン人口は現在数万から10万人程度と推測されており、北朝鮮当局はGPSを用いて活動の取締りを行っているという。
ソン氏は北朝鮮人民軍幹部の息子として生まれた。裕福な環境で育ったが、妻が金正日総書記の食糧難対応を批判したとして逮捕。妊娠中の妻は流産してしまい、その後ソン氏は中国へ脱出。中国で脱北者を支援する宣教師らと出会い、キリストを受け入れた。その後再び北朝鮮へ戻り、宣教活動を行ったが逮捕されて死刑判決を受けたという。
北朝鮮のキリスト者は朝鮮戦争(1950〜53)当時、その大半が韓国へ渡ったとされているが、残った信者らがキリスト者としての姿を隠して信仰を続けていると言われている。平壌や咸興(ハムフン)などには、カトリック系の「沈黙の教会」と称する秘密組織があるとの情報も。また、米国に次ぐ世界第2の規模で海外に宣教師を派遣している韓国からは、極秘に宣教師が侵入しているとも言われている。